2019年6月20日(木)

隗より始めよ(岩渕健輔)

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ラグビー日本代表、19年W杯までに必要なもの

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2017/5/15 6:30
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ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会1次リーグの組み合わせが決まった。決勝トーナメントに進んだことのない日本にとって、全てのチームが強敵である。しかし、今回の組分けには前向きな点もいくつかある。

まずは過去に優勝経験のあるニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア、イングランドという4チームとの対戦を避けられたこと。

最近の大会で4強に入っているチームと同居しなかったことも大きい。日本と同じA組に入ったアイルランドは過去8強が最高。スコットランドも4強に進んだのは、地元で決勝トーナメントを開いた1991年大会だけだ。

もう1つの朗報は、日本にとって戦いやすい欧州勢が多く同組に入ったことである。

欧州勢は全般的に体格が大きく、運動能力も高い。しかし、ボールを持って走るときに、横にかわす動きを多く入れてくるニュージーランドやフィジーなどの南半球勢と比べると、真っすぐ走る傾向が強い。伝統的に日本にとっては守りやすい相手である。

同組の他の2チームを見ると、欧州予選1位はルーマニアやロシアなどが候補になる。欧州―オセアニア・プレーオフの勝者はトンガかサモアが来る可能性が高い。

こうして日本の対戦相手になりそうな4チームを見ると、サモアを除けば、いずれも体が大きく、スクラムやラインアウトなどのセットプレーを中心に手堅く戦う「ストラクチャー(構造)型」のチームである。

日本は本番に向けて、戦い方の的が絞りやすくなった。セットプレーは間違いなく安定させないといけないし、自分たちがボールをいかに保持できるかがカギになるだろう。

伝統国ならではの「ずる賢さ」

15年W杯イングランド大会でも、対戦相手4チームのうち、南アフリカ、スコットランド、米国はストラクチャー型だったから、準備をしやすかった面があった。

岩渕健輔氏

岩渕健輔氏

今回の同組の4チームのうち、アイルランドとスコットランドはW杯の実績で日本を上回るだけでなく、伝統国ならではの強みがある。

日本代表のゼネラルマネジャーとして参加した15年W杯でそのことを痛感した。南アフリカ、サモア、米国を破って3勝を挙げた日本が唯一敗れた相手がスコットランドだった。

日本は南ア戦から中3日という日程の不利はあったが、本当に勝敗を分けたのはSHレイドロー主将のゲームメークを中心とした「ずる賢さ」だったと思っている。

その根底には、国全体としての地力の差、ラグビー力の差があったのではないだろうか。ラグビーの歴史や伝統の差に加え、欧州王者を決める6カ国対抗を毎年戦うことで培った勝負強さは、一朝一夕に追いつけるものではない。

19年大会でもレイドローが健在なら、スコットランドはかなり手ごわい相手になる。欧州勢の中でも特にFWが大きくスピードランナーが多いアイルランドも、SOセクストンを軸にしたハーフ団の試合運びが大きな武器になっている。

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