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アスリートが備えるビジネススキルとは
編集委員 北川和徳

(1/2ページ)
2017/5/12 6:30
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 2020年東京五輪・パラリンピックを控え、アスリートのセカンドキャリアもしばしば話題に上るようになった。引退後に満足できる仕事に就けずに困窮する元選手は決して少なくない。スポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)、日本スポーツ振興センター(JSC)なども対策を打ち出し、スポーツ界を挙げて取り組むべきテーマとして意識されつつある。

「引退後に幸せな人生を」

 では、なぜアスリートの第2の人生をそこまでバックアップする必要があるのか。「スポーツでみんなを元気にしようと頑張ったのに、引退後に仕事も見つからずに苦しむのは気の毒だから?」。そう考える人が多いだろう。

 総合印刷会社「山愛」(東京・文京)は2014年から競技生活を終えた元選手の就職を支援する新事業を展開している。担当する藤井頼子さんはアスリートのセカンドキャリアを充実させる大切さを、こう説明する。「スポーツに打ち込んできた選手たちが引退後に幸せな人生を送れなければ、子どもたちがスポーツをしようとしても周囲はとめるようになります。それではスポーツは普及、発展しません」

 藤井さんは大学卒業後に6年間勤務した鉄道会社を辞め、この仕事をするために転職した。子供の頃からスポーツ、特に野球が好きで、阪神タイガースの大ファン。転職してまでアスリートのキャリア支援を担当したいと思ったきっかけは、大リーグでも活躍した伊良部秀輝投手(享年42)の自殺だったという。

 山愛の支援事業は今のところJリーグなどサッカー選手が中心で約450人が登録。引退後のカウンセリングや求人企業の紹介はもちろん、現役選手向けの研修、入社に向けての実習、さらに入社後にきちんと適応できるようにアフターケアまでする。事業立ち上げからこれまでの3年間で約110人(うち元Jリーガー50人)のアスリートの再就職を世話している。

 では、スポーツに打ち込んできた元アスリートたちは実際に企業の戦力としてはどう評価されるのか。優秀なビジネスマンとして活躍できるのか。「スポーツばか」という言葉があるように偏見に満ちた見方もあるが、本来スポーツは人を育てるものと考えられている。スポーツをしてきたからこそ磨かれるビジネススキルとはなんだろう。トップアスリートを取材してきた記者として、ずっと考えているテーマでもある。

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