2018年12月18日(火)

マリカー訴訟、焦点は「コスチューム」

(1/2ページ)
2017/5/11 6:30
保存
共有
印刷
その他

任天堂は2月、公道カートのレンタルを手がけるマリカー(東京・品川)について、不正競争行為や著作権侵害行為の差し止めなどを東京地裁に提起した。マリカー社のビジネスが、任天堂のゲームキャラクター「マリオ」の世界的な人気や知名度にタダ乗りしていると見なしたためだ。問題の争点やキャラクタービジネスに与える影響を弁護士の福井健策氏に聞いた。

マリカー社がレンタルする公道カートは、人気キャラクターのコスチュームを着用して走行でき、訪日外国人にも人気だ(4月27日、東京・渋谷)=一部画像処理しています

マリカー社がレンタルする公道カートは、人気キャラクターのコスチュームを着用して走行でき、訪日外国人にも人気だ(4月27日、東京・渋谷)=一部画像処理しています

――任天堂は何を問題視しているのでしょうか。

「任天堂のプレスリリースでは、3つの問題点を挙げている。(1)任天堂の人気ゲーム『マリオカート』の略称である『マリカー』を社名に用いている(2)公道カートの顧客に『マリオ』などのキャラクターのコスチュームをレンタルしている(3)コスチュームが写った画像や映像を無断で宣伝や営業に利用している――の3点だ」

――マリカーという社名の何が問題なのですか。

「不正競争防止法の『周知表示混同惹起行為』との指摘がある。混同惹起は、よく知られた商品と類似の商品名を使用することで、他人のブランドや信頼が持つ集客力などにタダ乗りする行為を指す」

「問題なのは、需要者であるカートの借り手がマリカー社を任天堂の関係会社だったり、カートレンタルが正規の許諾を得ていると勘違いしたりするかどうかだ。似ていても違いが明らかであるなら、裁判所は混同の恐れはないと判断する。商標権侵害を問題視された腕時計の『フランク三浦』は、価格などがオリジナルと明らかに違うため、シロ(商標権の侵害ではない)と判断された」

――マリカーの場合はどうですか。

「当初、マリカー社が任天堂と関係があったり、許諾を得ていたりしていると勘違いされないだろうと私は考えていた。ただ、提訴後のネット上の反応などを読んでいると『許可を取っていなかったのか』と驚く声が意外に多いのも事実だ。また、社名単独ではなく、コスチュームも併せて見れば、裁判所の判断も変わるかもしれない」

――特許庁は1月、任天堂によるレンタルカートのブランド『マリカー』の商標取り消しの申請を棄却しています。

「特許庁が否定したのは、広く一般的に知られた商品表示を指す『著名性』だ。混同惹起行為の要件である『周知性』は需要者に知られているかどうかで直接の関係はない。ただ、特許庁による著名性の否定が混同惹起行為の判断でも、ネガティブに働く可能性はある」

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報