2017年12月11日(月)

中古建機、取引はネットで サイト運営のソラビト

2017/5/10 6:30
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 中古建設機械の国際オンライン取引サイト「オールストッカー」を運営するSORABITO(ソラビト、東京・中央)。オークション会場での取引が主だった中古建機の売買をネット上に移し、売り手・買い手の負担を軽減する。創業者の青木隆幸社長(31)は中古需要の高い新興国などへの販売増で年内に月間売上高10億円を目指す。

中古建機の国際オンライン取引サイト「オールストッカー」を運営するソラビトの青木隆幸社長

中古建機の国際オンライン取引サイト「オールストッカー」を運営するソラビトの青木隆幸社長

 オールストッカーは日本語、英語、中国語、タイ語、ベトナム語に対応する。ただ言葉以上に、各国・地域の顧客特性や商習慣などの違いに加え、知名度の低さなどで苦戦を強いられた。

 サービスを本格開始する前、ベトナムの顧客から支払いの際に取引自体に不安を抱かれたことがあった。「知名度がなく取引も数百万円と高額。不安になるのも仕方がない」。ベトナム人の従業員が電話で細かく説明して事なきを得た。

 資金決済のフローにも課題があった。成約後、売り手はいっときでも早く入金を求め、買い手は先に建機を手に入れたい。売り手からは、機械を引き取りに来た業者が偽者ではないかという不安の声も寄せられた。

 様々な決済制度を検討し、金融機関をエスクロー(第三者預託機関)とした決済制度と決済時に引換証を発行するサービスを取り入れた。国際取引所としての信頼性・公平性を1つずつ整えた。

 「中高生の時から事業を起こしたいという思いばかり」だったと話す青木氏の実家は建設業を営んでいた。幼少時から現場の手伝いなどで「建機に囲まれて育った」。

 10年ほど前に父親とリサイクル関係の会社を立ち上げ「必要な資格の取得など仕事の始め方も学んだ」。大学院で経営学修士号(MBA)を取り起業の準備を進めた。

 建機取引に目を付けたのは、日本の中古建機に可能性と課題を見いだしたからだ。可能性は3つ。(1)法定点検があり一定の品質が担保されている(2)建機レンタル業者が定期的にまとまった台数を中古市場に供給している(3)東南アジアなどで日本の中古建機の需要が高い――ことだ。

 課題もあった。中古建機の売買は定期的に開かれるオークションが主流で、売り手は売れる見込みがなくても建機を分解し数十万円の費用を負担して会場に運び込む。買い手も現物確認の要点はさほど多くないのに会場に足を運ぶ必要がある。

 写真がふんだんに使えるネットを使えば「建機を動かさずに売買できる」。そのための技術会社としてソラビトを2014年設立。既存の取引に慣れた人にはネットを使う抵抗感が根強く「サービスの流れを丁寧に説明し信頼関係を築いていくことが重要だった」。

 粗悪品が流通しないように写真登録の要件を厳密にし、決済や運送の仕組みを明確にした。その間何度も資金が尽きかけたが、官民から資金調達し何とか開発。15年秋、本格開始にこぎつけた。

 17年3月にはネットオークションの運営代行も始めた。「数人の担当者が一度に300台を販売することもある」というレンタル会社などの更新スケジュールに合わせオークションを開催。売り手側の在庫調整にも役立ててもらえるとにらむ。

 今後の成長のカギは海外での認知度向上だ。「商談依頼は50カ国・地域以上から寄せられている。事業を広げるには現地でセミナーを開くなどPRが欠かせない」。信頼性が世界で高く評価される日本の建機を海外に売り込もうと知恵を絞る。

(企業報道部 牛山知也)

[日経産業新聞 5月10日付]

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