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高校野球の枠を飛び出せ 報徳学園新監督の挑戦

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2017/5/10 6:30
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この春、高校野球の名門に新監督が誕生した。兵庫・報徳学園の大角健二監督(36)。2002年の全国選抜大会を制し、今春の同大会でもチームをベスト4に導いた永田裕治前監督(53)の勇退を受け、4月1日付で就任した。基本にのっとった動きにもまして選手に求めたいのが、高校野球の枠からはみ出るような大胆なプレー。勝利のためなら既成概念をも打ち破る覚悟で、新たな校史を紡いでいくつもりだ。

もっと大胆なプレーやらせたい

大角新監督は選手に大胆なプレーを求める

大角新監督は選手に大胆なプレーを求める

いまだに「監督」と呼ばれて反応できないことがあるという。「監督イコール永田先生なので、僕の中では違和感がある」。大角監督自身、春夏通算18度にわたりチームを甲子園大会に出場させた永田氏の教え子。指揮のバトンを手渡された実感の乏しさから、師の存在がいかに大きかったかがうかがえる。

今年1月、兵庫県西宮市の同校グラウンド。永田氏に呼ばれてバックネット裏の小屋の一室に入ると、単刀直入に切り出された。「監督を辞める」。明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督(61)ら大ベテランが健在の中、53歳での退任は早い気もするが、近年、常に引き際を考えていたという永田氏には自然な成り行きだったのだろう。

03年からコーチ、部長として支えてきた大角氏は、このときばかりはスタッフ同士でなく「監督と生徒という立場に戻った感じだった」。後任を頼まれると即座に覚悟を決め、身をただして承諾の返事をした。

全力プレーに礼儀正しい生活態度と、グラウンド内外で真摯さを求めてきた永田氏の神髄は受け継いだ上で、青年監督が特に選手に備えてほしいのが大胆さだという。「今までは手堅いプレーが多かったが、もっと大胆なプレーをやらせたいんです」

例えば、内野守備ではジャンピングスローを奨励していきたいという。ぼてぼてのゴロに一直線で突っ込んで捕り、ダッシュした勢いのままジャンプして送球する内野手の見せ場のプレー。プロでは頻繁に見られるが、こと高校野球になるとまずお目にかかることはない。教育的側面から「基本に忠実」がモットーの高校球界では、鈍いゴロには回り込んで正面に入り、しっかり腰を落として両手で捕るのが慣例。「軽率」のそしりを免れないジャンピングスローなどもってのほか、という風潮がある。

勝つためにジャンピングスローも

そんな中、大角監督は「勝つための手段としてはジャンピングスローは必要だと思う」と話す。仮に打球の質が同じだとして、どちらのプレーが一塁への送球到達が速いかというと「体の使い方や流れ、送球を見れば明らかにジャンピングスローの方が速い」。大角監督も、まずは回り込んで捕る基本の習得が最重要という考えだが「正面に入るのが難しい打球にも強引に正面にいこうとして、ボールを落としてもOKなのか」。プレーの制約を取り払う考えは、単純に一つのアウト、一つの勝利への近道を模索する中で生まれた。

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