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どんな守備でも崩す力 浦和の強さの源
サッカージャーナリスト 大住良之

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2017/5/5 6:30
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サッカーの2017年シーズンがスタートして2カ月あまり。目立つのは浦和レッズの圧倒的な強さだ。Jリーグではゴールデンウイークに大宮と鹿島に連敗を喫して首位の座を譲ったものの、並行して戦っているアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)では上海上港(中国)、FCソウル(韓国)、ウェスタンシドニー(オーストラリア)という強豪ぞろいのF組で首位、1試合を残して1次リーグ突破を決めた。

「スピードが相手を圧倒」

今季の浦和は「勝ちっぷり」がすごい。4月30日のJ1第9節大宮戦、5月4日の第10節鹿島戦ではともに0-1と敗れたが、今季の公式戦16試合で無得点に終わったのはこの2試合だけ。それどころか、最少得点の1点も3試合しかない。それ以外の11試合ではすべて複数得点し、4得点以上も5試合。Jリーグでは仙台に7-0と記録的な大勝、ACLでもFCソウルに5-2、ウェスタンシドニーに6-1と大勝している。

選手層の充実が今季の浦和の強さの第1のポイント=共同

選手層の充実が今季の浦和の強さの第1のポイント=共同

2年ほど前までの浦和は、1点を先制するとそれを守って勝とうという気持ちが強くなりすぎるのか、消極的な試合運びになっていた。その傾向は昨年から解消されてきていたが、今年は1点を取るとさらに攻撃のスピードが上がって2点目、3点目をたたみかけるという姿勢が出ている。

4月26日に行われたACLの第5節では、決して弱くはない相手に対して立ち上がりから猛攻をかけた。相手はDFラインに5人並べて守備を固め、自陣に5-4-1のブロックをつくったが、14分にMF柏木陽介のロングパスからMF武藤雄樹が抜け出し、戻したボールをMF関根貴大がきれいに送り込んで先制する。

その4分後には右サイドからMF駒井善成がするするとドリブルで進んでスルーパス、FWズラタンがワンタッチで2点目。さらに43分にはMF李忠成がワンタッチでFWズラタンにパスしてダッシュ。ズラタンのスルーパスをMF駒井が追い、追いつきざまにワンタッチで中央に入れると、足を止めずに走り込んでいた李が完全なフリーの状態でゴールに流し込んで前半だけで3-0とした。

「浦和のスピードが相手を圧倒した」。試合を観戦していた日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督も絶賛した試合運び。その称賛は攻撃だけでなく、ボールを失った瞬間に守備に入り、あっという間にボールを持った相手選手を2人、3人で囲んでしまう守備にも向けられたものだった。ウェスタンシドニーがなんとかその包囲を切り抜けても、余裕のないパスになり、浦和の守備陣がやすやすとインターセプトした。

個々の選手伸び、選手層厚く

この試合には、今季の浦和の強さの秘密の重要な一端が示されていた。過密日程を考慮し、浦和は前週末のJリーグの試合から先発を5人入れ替えていた。キャプテンのMF阿部勇樹を休ませ、得点を量産している「ダブルエース」のMF興梠慎三とFWラファエルシルバもベンチに置いていた。これだけメンバーを変えても、パフォーマンスは質も量も落ちなかった。

「選手層の充実」。それが今季の浦和の強さの第1のポイントだ。大補強をしたわけではない。MFレオシルバなど大型補強をした鹿島と比較してシーズン前には「浦和の補強は相変わらず小粒」と批判されたが、唯一の「ビッグネーム」であるラファエルシルバが期待以上の活躍を見せているのに加え、2年目の駒井が完全にチームに溶け込むなど、個々の選手が伸びて選手層を一挙に厚くしたのだ。

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