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自然に巡ってきた4番 広島・鈴木に早くも風格
編集委員 篠山正幸

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2017/5/2 6:30
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奪い取った、というよりは自然に巡ってきた4番の座というべきだろう。広島・鈴木誠也(22)が5年目で初めて経験した打順で、戸惑いも気負いも見せず、普段通りの打棒を発揮している。その打席には早くも風格が漂い始めている。

監督「新井を抜くつもりで…」

29日のDeNA戦では、鈴木は4番で2本塁打を放った=共同

29日のDeNA戦では、鈴木は4番で2本塁打を放った=共同

初めて4番に座ったのは4月11日の巨人戦。5打数3安打で、六回先頭打者としての三遊間安打は相手エース、菅野智之を引きずりおろす端緒となった。今季2試合連続完封もやってのけている菅野にとって、これまでのところ唯一KOをくらった試合となっている。

緒方孝市監督は「与えられた打順で結果を出してくれるのは頼もしい」とする一方で「新井はオープン戦で結果を出したから(4番にすえている)。新井を抜くつもりでやってほしい」と語った。

この試合の4番起用は新井貴浩(40)の休養に伴う措置、という色合いが濃かった。まだまだパートタイムの4番で、4試合目となる22日のヤクルト戦までその位置付けは変わらなかった。

しかし、25日の巨人戦からは様相が違ってきた。そこから30日のDeNA戦まで6試合連続で4番を務めた。29日の同カードでは四回に4番としての第1号を、横浜スタジアムの左中間スタンド上段に運んだ。さらに八回にも2ラン。この試合の前まで、4番を務めた8試合はいずれも新井が控えや代打に回ったときのものだったが、この試合では新井が先発に名を連ねていた。その打順は6番。このオーダーの意味は重かった。

30日にも4番で、大量リードを許したDeNAに一泡吹かせる2ランを九回に放った。広島の4番といえば鈴木。そうなる日が近づいている。

緒方監督は開幕前、4番に意欲をみせる松山竜平、新井とともに鈴木の名を4番候補に挙げていた。期待まじりの構想が早くも現実のものとなりつつある。だが、その起用法は"お試し"の4番を何度も繰り返したように、きわめて慎重。この打順での起用が続いているなかでも緒方監督から鈴木を4番に決めた、という宣言のようなものは出ておらず、この先もそうした公式発言は出ないだろう。

「5も4もやることは変わらず」

そこからは鈴木が受けるプレッシャーへの配慮とともに、4番は与えるものでなく、誰もがそれが当たり前と思えるような打者が、ごく自然なタイミングで指定席としていくもの、という緒方監督の哲学がうかがえる。

「5(番)も4(番)もやることは変わらない」という鈴木本人も、時の流れに身を任せて目の前の打席に集中しているようだ。

5月1日現在の打撃成績は打率3割1分8厘、リーグトップタイの5本塁打に19打点。4番を務めた10試合では打率3割5分1厘で3本塁打、9打点。

楽天のカルロス・ペゲーロら、2番に強打者を置く打順もはやりとなってきた昨今、4番、4番と言い立てるのは古いのだろうが、ポイントゲッターがしかるべき場所にいる打線にはやはり、そこはかとない安心感、信頼感がある。

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