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ヘビー級王者ジョシュア、ボクシング界待望のスター

2017/5/3 6:30
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ボクシング界に待望の新スターが誕生した。4月29日に英ロンドンで9万人の大観衆を集めて行われた世界ヘビー級タイトルマッチで、地元のアンソニー・ジョシュアが元3団体統一王者のウラジミール・クリチコ(ウクライナ)を11回TKOで下し、新時代の到来を印象づけた。2012年ロンドン五輪で金メダルを獲得し、プロ転向後も19連続KO勝利を続ける27歳はスター性も抜群。近年、人気が低迷していたヘビー級に久々に活況を取り戻しそうだ。

サッカーの聖地、ウェンブリー競技場で行われた新旧王者対決。チケット完売という注目の一戦は、期待にたがわぬ好勝負になった。5回にジョシュア、6回にクリチコと互いに1度ずつダウンを奪って迎えた11回。この試合まで最長でも7ラウンドまでしか経験のないジョシュアが力を振り絞り、未知の領域で勝負に出る。

開始ゴングと同時にワンツーをヒット。さらにヘビー級とは思えぬ鋭い右アッパーからの連打で2度のダウンを奪う。追撃の連打でコーナーに追い込むと、レフェリーが試合を止めた。保持する国際ボクシング連盟(IBF)王座を防衛するとともに、空位の世界ボクシング協会(WBA)王座も獲得した。

試合後にマイクを握った勝者は「(リングサイドで観戦した元王者の)ホリフィールドやルイスらレジェンドの前で最高の気分だ」と高揚を隠せなかった。英ボクシング興行記録となる大観衆をのみ込んだ最高の舞台で、しかも15年まで9年間も王座に君臨し、IBF王座を18度も防衛したクリチコを倒した価値は大きい。早くも「今年の年間最高試合は決まった」という声も聞かれる。

ジョシュアはナイジェリアにルーツを持つ。幼少期はサッカーを楽しみ、ボクシングを始めたのは18歳と早くない。デビュー当初は身長198センチ、体重約110キロの恵まれた体格と身体能力だけが目についたが、昨年あたりから正統派として一気に本格化した。多彩なコンビネーションや相手の打ち終わりに合わせるカウンター、ボディーワークは中量級のようだ。

アマチュアの無名時代には警察の厄介になったこともあるが、試合前から先輩王者のクリチコに敬意を表すなど好感も持てる。地元紙デーリー・テレグラフ(電子版)によると、スポーツ用品アンダーアーマー、高級車ジャガー、ヘッドホンのビーツなど13社とスポンサー契約。今回の試合では15億円以上のファイトマネーを得たとされる。プロモーターのエディー・ハーン氏は「ジョシュアは英国最高のスポーツ選手になれる」と話す。

これまで全19試合を英国で行っているが、米国進出も時間の問題だ。今回は時差のある米国の2つのテレビ局、HBOとショータイムが放映権獲得を巡って互いに譲らず、それぞれ放送したほど期待も大きい。2年前のフロイド・メイウェザー対マニー・パッキャオの「世紀の一戦」以降、スーパースター不在で混沌が続くボクシング界だが、今後はこの男を中心に回っていきそうだ。

(山口大介)

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