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メッシ欠くアルゼンチンに迫る W杯予選敗退の足音
サッカージャーナリスト 沢田啓明

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2017/4/27 6:30
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サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)南米予選で、2つの超大国が対照的な状況に置かれている。

全18節中第14節を終えた時点で、ブラジルは10勝3分1敗(得点35、失点10)の勝ち点33で、2位コロンビアに勝ち点9差をつけて首位を独走する。4節を残し、早々と4位以内を確定させW杯出場を決めた。一方、アルゼンチンは6勝4分4敗(得点15、失点14)の勝ち点22で5位。仮にこの順位で予選を終えたら、オセアニア地区代表との大陸間プレーオフに臨まなければならない。6位エクアドルが勝ち点2差、7位ペルーと8位パラグアイが勝ち点4差で迫っており、6位以下に落ちて敗退する可能性もある。

2つの超大国の「明と暗」

昨年3月の第6節終了時点ではアルゼンチンが勝ち点11の3位で、ブラジルは勝ち点9の6位に沈んでいた。南米最強国を決めるコパ・アメリカ(南米選手権)でも状況は似ていた。15年大会ではブラジルが準々決勝で敗退したのとは対照的に、アルゼンチンは決勝に進出(地元チリに延長、PK戦の末に敗れる)。昨年6月に米国で行われた創設100周年記念大会ではブラジルが早々と1次リーグで姿を消す一方、アルゼンチンは決勝に進んだ(再びチリに延長、PK戦の末に敗れる)。

しかし、ここから立場が逆転していく。ブラジルがドゥンガ監督を更迭して経験豊かなチッチ監督を招いたのに対し、アルゼンチンではチーム作りが軌道に乗りつつあると思われたヘラルド・マルティーノ監督が辞任を、エースのメッシ(バルセロナ)が代表からの引退を表明。その後、メッシは代表引退を撤回したがマルティーノ監督は退任し、エドガルド・バウサ氏が後任に指名された。

ブラジルは昨年のリオデジャネイロ五輪で初優勝。14年の自国開催W杯の準決勝でドイツに大敗を喫したショックを多少なりとも和らげ、選手たちは自信を取り戻した。チッチ監督はフォーメーションを4-1-4-1に変え、若手CFガブリエルジェズス(マンチェスター・シティー)、MFパウリーニョ(広州恒大)、左SBマルセロ(レアル・マドリード)らをレギュラーに抜てきした。ネイマールが主将を任されて精神的な重圧を感じているのを察し、主将をCBミランダ(インテル)らベテランに託すことでエースの負担を軽減した。トップと最終ラインの距離を常にコンパクトに保ち、高い位置からプレスをかけて相手ボールを奪うと人数をかけて攻めるアグレッシブなスタイルを植え付け、就任後の南米予選で8戦全勝。守備ではミランダ、攻撃ではネイマールが柱だが、最大の強みは中盤にある。カゼミーロ(レアル・マドリード)が最終ラインの前で強固な壁となり、センターハーフのパウリーニョとレナト・アウグスト(北京国安)が攻守両面で貢献してチームにダイナミズムを加えている。

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