/

味の素、調味料の副産物をバイオマスに

味の素が海外で、うま味調味料「味の素」の副産物であるサトウキビの搾りかすなどをバイオマス(生物資源)として使う取り組みを広げている。最新のボイラーやコージェネレーション(熱電併給)設備を導入し、燃料や肥料に使う。それぞれの地域にあった活用手段を確立し、農作物を持続的に調達するサステナビリティー(持続可能性)重視の生産を目指す。

味の素は、「味の素」をはじめ調味料や医薬品などに使われるアミノ酸を、世界9カ国の20工場で製造。主な原料はサトウキビやトウモロコシ、テンサイなど。地域ごとに入手しやすい物を採用し、サトウキビであれば搾り汁を使って発酵法で製造している。

副産物の搾りかすなどは栄養価が高く、ほぼ100%を畜産向けの飼料などで活用している。すでに同社が「バイオサイクル」と呼ぶ循環型の生産体制を構築しているが、さらに高度化する。

1つがバイオマスボイラーの拡大だ。ブラジルの4工場ではサトウキビの搾りかすをボイラーで燃やし、発電に使っている。燃やした後の灰も肥料に用いている。

今後は東南アジアを中心に、バイオマスボイラー導入を広げていく。

また、タイのアユタヤ工場では約40億円を投じた、さらに先進的なバイオマスコージェネレーション(熱電併給)設備が昨年稼働した。もみ殻を燃料として蒸気タービンを回し、蒸気と電気を工場に供給。この設備の稼働により、工場で使う電気の3割程度を自家発電に切り替えられた。重油ボイラーからの燃料転換により温暖化ガスの排出削減も期待できる。

味の素は今後、2020年ごろまでに、タイの別の工場にも同様のバイオマスコージェネの導入を検討する考えだ。

調達先の農地などに肥料や飼料を還元することで、地域の農業や畜産業の振興にもつながる。

一方、こうしたボイラーやコージェネの拡充を通じ、再生可能エネルギーの利用拡大も目指す。

同社は国内では、今年4月から本社や営業拠点などで使用する電力を100%再生エネ由来のものに切り替えた。

再生エネを調達したとみなす「グリーン電力証書」を購入。これにより本社と東北、大阪など5支社と、沖縄と北海道の子会社における年間電力量410万キロワット時をすべて、再生エネで賄える計算となる。

グループ全体の再生エネ比率は現在19%程度で、15年度の16%から進展した。これを20年度に20%、30年度には50%に引き上げる計画を掲げる。

20%の目標は達成できる見通しだ。50%の実現に向けては、生産拠点での再生エネ普及が鍵を握る。各地で計画中のバイオマスボイラーやバイオマスコージェネの増設が、その一翼を担う。

(企業報道部 黒瀬泰斗)

[日経産業新聞 4月20日付]

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

企業:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません