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ACL1次リーグ大詰め 日本勢そろって決勝Tも

サッカージャーナリスト 大住良之

アジアのクラブチャンピオンの座を、そして年末にアラブ首長国連邦(UAE)で行われる国際サッカー連盟(FIFA)クラブワールドカップへの出場権をかけて戦われているアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)2017。1次リーグは4節まで終了し、2節を残すだけとなった。日本から出場した4クラブはそれぞれの状況にあるが、残り2試合の結果次第で全チームが各組を突破し、決勝トーナメント進出の可能性を残している。

E組、アウェーで苦戦する鹿島

昨年のFIFAクラブワールドカップ準優勝の実績にMFレオシルバ、FWペドロジュニオールらの補強で今大会の優勝候補の一角でもあった鹿島アントラーズ。韓国の蔚山をホームに迎えた初戦は2-0で勝って好スタートを切ったものの、アウェーでは苦戦が続いている。

●E組
順位チーム(国)勝ち点
ムアントン(タイ)
鹿島
蔚山(韓国)
ブリスベン(豪州)

鹿島の残り試合
対戦相手H/A
4月26日蔚山A
5月10日ムアントンH

第2節、タイのムアントンには「ターンオーバー(メンバー入れ替え)」で臨み、後半追加タイムに決勝点を許して1-2の敗戦。第4節にはホームで3-0と快勝したブリスベン(オーストラリア)にも1-2で敗れた。

昨年と比較すると選手層は抜群に厚くなっているものの、メンバーを代えるとまだ安定感がない。エースであるFW金崎夢生の足首の状態が思わしくなく、アウェーの2試合にはいずれも帯同しなかった。敗れた2試合はいずれも僅差だっただけに、エース不在は痛かった。

4節を終わった時点で、鹿島は勝ち点6の2位。だがこの組は大混戦で、首位のムアントンも勝ち点8。4月12日の第4節に鹿島に勝ってようやく初勝利を挙げた4位のブリスベンにまでチャンスは残されている。

鹿島としては、残り2試合を連勝してE組突破を決めたいところ。とすれば、26日の蔚山とのアウェー戦が大きな試合となる。左サイドからスピードに乗って攻め込む蔚山のクロアチア人FWオルシッチに注意しなければならない。

F組、浦和はほぼ突破確定

J1首位の浦和はACLでも1次リーグ突破が目前だ=共同

苦戦する日本の他クラブをよそに、Jリーグでも首位に立つ浦和レッズは2節を残して1次リーグ突破をほぼ確定した。

この組は浦和と上海上港(中国)が2連勝した後に直接対決。上海ではFWフッキ、FWエウケソン、そしてMFオスカルの「ブラジル代表トリオ」にかき回されて3点を先取された浦和だったが、リスタートから2点を返し、第4節埼玉スタジアムでのリターンマッチに臨んだ。エースのFW興梠慎三が上海でのゲームで一発退場になり出場停止だったが、今季新潟から移籍したFWラファエルシルバが44分に貴重なゴ

●F組
順位チーム(国)勝ち点
浦和
上海上港(中国)
FCソウル
ウェスタンシドニー(豪州)

浦和の残り試合
対戦相手H/A
4月26日ウェスタンシドニーH
5月10日FCソウルA

ールを奪って先制。後半には2本のPKを与えるという苦境に陥ったが、1本目はGK西川周作がオスカルのキックを止め、2本目はオスカル自身が力んでバーの上にけり上げて、1-0のまま逃げ切りに成功した。ともに勝ち点9、対戦成績も1勝1敗だが、「アウェーゴール」の多い浦和が首位に立った。

浦和は第1節にはアウェーでウェスタンシドニー(オーストラリア)に4-0で大勝、第2節にはホームでFCソウルに5-2と快勝しており、残り2試合で勝ち点1を積み上げれば1次リーグ突破が決まる。今季ラファエルシルバを補強した攻撃陣はJリーグでも得点を量産しており、好調さがそのままACLにも出ている。

G組、川崎苦しみ4連続引き分け

風間八宏監督が退任して鬼木達監督になった川崎フロンターレは、エース大久保嘉人の移籍の穴を埋めるべく獲得したFW家長昭博が右足の故障で離脱。そのほかにも次々と故障者が出て自慢の攻撃力が大きく落ちた。

●G組
順位チーム(国)勝ち点
水原(韓国)
広州恒大(中国)
川崎
イースタン(香港)

川崎の残り試合
対戦相手H/A
4月25日水原A
5月9日イースタンH

ACLでは、開幕から4試合連続引き分けという珍しい記録をつくってしまった。特に第2節、この組では明らかに力が落ちるイースタン(香港)に対しても1-1で引き分けたのは大きな誤算だった。イースタンは第1節で広州恒大(中国)に0-7、第3節と第4節には水原(韓国)に2試合合計0-6と失点を重ね、第4節までに挙げた勝ち点は川崎戦の1ポイントだけ。この試合、川崎は「完全ターンオーバー」で臨んだが、立ち上がりにDF奈良竜樹の守備が反則と判定されて退場処分となり、PKも決められて1点のリードを許した。後半にMF板倉滉が同点ゴールを決めたが、勝ち越すことはできなかった。

だが続く広州恒大との連戦ではアウェー、ホームともゲームの後半に圧倒的な攻勢をとり、ブラジル代表でいま最も熱い注目を集めるMFパウリーニョを擁する強豪に1-1、0-0と2試合連続で引き分けた。

第4節を終了して3位だが、残り2試合を連勝すれば他の試合に関係なくG組を突破できる。第5節、アウェーでの水原に勝たなければならないというのは鹿島とよく似た状況。今季ブラジルから補強したFWハイネルの「トップ下」がはまりつつあり、アウェーでの奮闘に期待したい。

H組、G大阪は自力で突破圏内

南京をホームとする中国の江蘇が開幕から4連勝し、勝ち点を12に伸ばして早くも1位突破を決めてしまった。ブラジル代表MFラミレス、同U-20(20歳以下)代表アレックス・テイシェイラ、そしてコロンビア代表FWロジャー・マルティネスら強力な布陣を擁し、監督は元韓国代表の崔龍洙である。

●H組
順位チーム(国)勝ち点
江蘇(中国)12
アデレード(豪州)
済州(韓国)
G大阪

G大阪の残り試合
対戦相手H/A
4月25日アデレードH
5月9日済州A

プレーオフを勝ち抜いて1次リーグに進んだG大阪は、初戦こそアウェーでアデレード(オーストラリア)に3-0で快勝したものの、第2節はホームで済州(韓国)に1-4で完敗、江蘇との連戦はホームで0-1、アウェーで0-3と敗れて3連敗を喫した。今季攻守両面でチームをけん引してきたMF今野泰幸が日本代表戦で負傷して戦列を離脱したのが痛い。

だが4節を終わって勝ち点3の最下位ではあるものの、2位アデレード、3位済州との差はわずか勝ち点1。両チームとの直接対決を残しているだけに、まだ自力での1次リーグ突破の圏内にいる。25日のアデレード戦(ホーム)が重要な試合となる。アデレードは韓国代表MF金在成が古巣の済州を相手に強烈なミドルシュートで先制点を決めており、警戒が必要だ。

ACLの戦い方わかってきた

各組を2位以内で勝ち抜けば、5月下旬に行われる決勝トーナメントに進む。ホームアンドアウェーで行われるこの決勝トーナメントではE組とG組、F組とH組のそれぞれ1位、2位が対戦する。日本同士、中国同士などの組み合わせができる可能性も十分ある。現時点で決定しているのはH組の1位(江蘇)だけ。F組の浦和としては、このまま1位を確保して江蘇との対戦を避けたいところだ。

一方、浦和以外の3チームはともかく決勝トーナメントに勝ち上がるため、残りの2試合に全力を注ぎ、連勝したい。例年ならACL出場チームは過密日程に苦しみ、いくつかはJリーグで下位や中位に低迷するのだが、今季は浦和がJリーグでも7節を終えて勝ち点16で首位に立っているほか、鹿島は浦和と勝ち点1差の2位、G大阪と川崎はともに勝ち点12で5、6位と大きな崩れは見せていない。

チームの内実はさまざまだが、日本のクラブもようやくACLをどう戦っていくのかノウハウが蓄積されてきたように思う。それだけに、残りの2節に全力を注ぎ何としても連勝して、4チームそろって決勝トーナメントへとコマを進めてほしい。

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