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西武内野陣に新風、新人源田の光るセンス

編集委員 篠山正幸

鉄壁の守りを誇った黄金時代もどこへやら、という惨状だった西武の内野を、新人の遊撃手がびしっと締めている。源田壮亮(げんだ・そうすけ、24)。社会人ベストナインの堅い守備としぶとい打撃で、チームの好スタートに貢献している。

新人遊撃の開幕戦先発は石毛以来

4月7日のソフトバンク戦。中前打で出塁した源田が打者中村剛也の1球目にスタートを切り、二塁を陥れた。これがプロ初盗塁。左投手の和田毅を相手に、簡単にスタートを切れるものではない。新人となればなおさらで、野球センスの豊かさと度胸の良さがうかがわれた。

3月31日、昨季のチャンピオンチーム、日本ハムとの開幕戦に9番遊撃で先発。西武の遊撃手としては1981年の石毛宏典以来、36年ぶりの開幕戦先発だった。

打っては中犠飛で1打点。セールスポイントである守備では四回、中田翔の三遊間を抜けようかという当たりに飛びつき、一塁へのノーバウンド送球で刺した。

打席でもスピードに慣れつつあり、現在は2番に定着している=共同

開幕から1週間ほどたったころのこと。馬場敏史・内野守備走塁コーチに、源田評を求めると「もう大丈夫でしょう。細かいことがいろいろ出てくるかもしれないが、それはそのときに言えばいいこと」という答えだった。

難なくさばいているようにみえても、本人は「いつも慌てています」というのだが、落ち着き払ったフィールディングをみると、とても額面通りには受け取れない。二遊間の打球にも強く、安打を凡打に変えている。

大分商から愛知学院大、トヨタ自動車を経て、昨年のドラフト3位で入団した。社会人時代には守備であれこれ言われたことがなかったという源田も、キャンプ当初は馬場コーチ、辻発彦監督からいろいろ指導を受けた。

辻監督からは「右脚でとらえる感覚をつかめ」との指導を受けた。ゴールデングラブ賞8度の名人の教えは雲をつかむようなものだった。源田は「難しい」といいながら、それを消化しつつあるらしい。

細かなステップワークには日本を代表する遊撃手だった宮本慎也さん(ヤクルト)を思い出させるものがある。正しいステップによって、どの位置からでも正確なスローイングをすることが可能になっているようだ。

昨季、西武は7人の選手が遊撃を守った。これだけとっかえひっかえしたということはほぼ空位だったというに等しい。

そのポジションを巡る争いがキャンプからの焦点だったが、6年目の永江恭平、3年目の外崎修汰、2年目の呉念庭らとの競争に、源田が勝ち残った。

辻監督、攻守に並々ならぬ期待

まだ開幕して一通り対戦が終わったばかりだが、昨年リーグワーストの101失策を記録したぼろぼろの守備網が、目の細かい新品の網に差し替わった感がある。遊撃というポジションの重みがそこにある。

打撃は目下2割3分9厘(19日現在)。徐々にプロのスピードに慣れつつあり、16日のロッテ戦では初の猛打賞をマークした。開幕5試合目のオリックス戦から打順も2番に上がっている。

4月9日のソフトバンク戦では無死一塁からの送りバントが捕ゴロとなって、失敗した。この試合、走者二塁で初球の難しい球に手を出して遊ゴロとなり、進塁打ならず、というシーンもあった。

「バントにしても、状況をみて、一塁に転がせばできたはずだし、進塁打のところも、もともと(左打者として)引っ張れる打者なんだし、簡単に三振する打者でもないんだから」。辻監督としてはもう少しじっくり行けよ、といったところ。しかし、このコメント全体としては源田に対する並々ならぬ期待が漂っている。「石毛以来」の触れ込みに、往年のファンも熱くならずにいられないのではないか。

オープン戦のさなか、胃腸炎による発熱で休んだ。心配なのは179センチ、73キロという体の線の細さだ。初めて体験する長丁場のシーズンを乗り切れるかどうか。西武の今季を占う要素の一つとなる。

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