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ゴルフやゴルフ場 次世代へ引き継ぐために
公益財団法人ゴルフ協会専務理事 山中博史

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2017/4/19 6:30
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皆さん、最近いろいろなところで「サステナビリティー」という言葉を聞きませんか。英単語の「sustainability」。日本語だと「持続可能性」と訳されることが多いようです。対象は社会、企業、環境、事業などいろいろな分野に及びますが、文化・スポーツもその例外ではありません。それらの活動が「世代を超えて引き継がれるためにはどうしたらいいか」が大きなテーマとなっています。

3月13日に横浜カントリークラブでR&AとJGAがセミナーを共催した

3月13日に横浜カントリークラブでR&AとJGAがセミナーを共催した

そんな中、3月13日に横浜カントリークラブでR&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・クラブ)と日本ゴルフ協会(JGA)が共催してサステナビリティー・セミナーが開かれました。世界のゴルフ界(米国とメキシコを除く)を統括するR&Aは「ゴルフをどう後世に伝えていくか」「ゴルフやゴルフ場が社会、自然、環境とどう調和していくのか」「ゴルフというスポーツをどのように楽しんでもらうのか」を、ここ数年活動の基本テーマに据えています。その総予算額は500万ポンド(約6.8億円)ですから、彼らの本気の度合いがうかがえます。

悪循環防ぎ底辺広げる方策探る

ゴルフは世界中で楽しまれているスポーツですが、競技人口から見ればそれほど多いとはいえません。しかも、ゴルフ人口は日本だけでなく、欧米でも減少しています。その理由として「難しい(ボールをまっすぐ飛ばせるようになるまで時間がかかる)ので、楽しめるようになる前にやめてしまう」「プレーするのに時間がかかる(18ホール回るのに4時間以上かかる)」「おカネがかかる(クラブなど道具一式そろえると結構な金額になる)」などの理由が指摘されています。ゴルファーの数が減少すれば、ゴルフ場の経営が立ちいかなくなって閉鎖したり、他の用途に転用されたりするケースが後を絶ちません。

ゴルフは他競技とは比べものにならないくらい広い敷地を使うスポーツです。このため周囲の自然環境にとけ込んでいなければ、余計な維持管理コストがかかってしまいます。コースコンディションが悪くなると、お客さんは来なくなる。経営が苦しくなるからさらにコースが荒れる、という悪循環に陥ってしまいます。

こうした悪循環を防ぎ、ゴルフの底辺を広げる方策を考えようというのが、今回のセミナーの趣旨です。コース数、ゴルフ人口とも米国に次ぐ日本は、R&Aにとって最重要国の一つです。こうした考えは、ゴルフの普及が一番の使命であるJGAとしても絶対に取り組まなければならない課題です。

サステナビリティーの考え方は他のスポーツでも共有されています。このため今回のセミナーでは、東京五輪組織委員会からも取り組みを紹介してもらうことにしました。サステナビリティーへの関心の高さを裏付けるように、JGA加盟クラブやゴルフ関連団体など220人の参加枠はすぐいっぱいになりました。

セミナーで特に印象深かったのは2014年の全米オープンを開催したパインハースト・ナンバー2の改造を手掛けたビル・クーア氏の講演でした。クーア氏は「トーナメントを開催できるように距離は長く、景観をよくするために池やバンカーを美しく配置するのがコース設計のトレンドだった時期があった。しかし、その当時から私たちは、お金をかけずにゴルフというゲームを楽しめるコースはどうあるべきかを考えていた」と言います。

例えば、7500ヤードのコースをつくろうとすれば、従来のコースより広い敷地が必要です。管理する面積が広ければ、芝生や樹木にあげる水や肥料、枝落としなどメンテナンスにより多くの費用がかかるようになります。木が多くなれば風通しが悪くなり、日陰が増えれば芝の病気が広がりやすくなるので、農薬も必要になります。

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