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高級老人ホーム広がる

バリ島ホテル風の空間、コース料理や懐石に舌鼓

高級ホーム「ロングライフ阿倍野」はリゾート地のバリ島をイメージした(大阪市)

高齢者が増える中、高級老人ホームが大阪や東京など大都市中心に広がっている。関西地盤の介護大手ロングライフホールディングは10月末をめどに大阪府寝屋川市にイタリア調の高級老人ホームを新設する。関西大手のチャーム・ケア・コーポレーションは首都圏で最高級、関西で高級施設を相次ぎ開設する。各社は高級感のある室内空間に加え、こだわりの料理などワンランク上のサービスも提供し、富裕シニア層を取り込む。

チャーム・ケアの高級ホームはホテルのような高級感を演出する(東京・新宿のチャームプレミア目白お留山)

ロングライフは関西を中心に21カ所(総居室数870室)の高級ホームを展開する。施設に入る際に必要となる入居一時金は1600万円から9500万円程度と一般的な老人ホームより高いが、引退した企業経営者らの人気が高く、16年10月期の入居率は7割を超える人気ぶり。今後2年間で6カ所の高級ホームを新設する予定だ。

同社は施設にテーマを設けるのが特徴。10月末に寝屋川市にオープンする「ロングライフタウン寝屋川公園」はイタリアの古都、フィレンツェをイメージし、家具や調度品は欧州などから調達する。居室数は66室の予定。

2015年開業の「ロングライフ阿倍野」(大阪市)はリゾート地のバリ島がテーマ。本場から岩を取り寄せ、屋内に水が流れるなどリゾートホテルのような空間を演出。居室のベッドには米国の有名家具ブランド「アシュレイホームストア」を採用した。

チャーム・ケアは、毎月かかる月額利用料が50万~70万円程度と通常の2倍以上の最高級施設「チャームプレミア」の展開をまず首都圏で始めた。東京・目白に第1号をこのほど開業。18年末をめどに10カ所程度に広げる予定だ。

介護支援などを24時間体制で提供する。コンシェルジュ役の専任スタッフにはファーストクラスの元客室乗務員らを起用し、食事もプロの料理人をそろえ本格的な和食や中華も提供する。

関西では高級施設「チャームスイート」を5月に兵庫県西宮市で開業。12月には兵庫県宝塚市、18年2月には神戸市で開設し、京都市でも今夏に1カ所開業する予定だ。

オリックス・リビング(東京・港)も高級ホームに力を入れる。入居一時金が1千万~3千万円程度の「グッドタイム リビング」を4月に宝塚市で開業。今秋東京都町田市でもオープン予定だ。18年度は入居一時金が約2500万~5300万円程度とさらに高級な施設「プラテシア」を横浜市にオープンする。

同社の施設は美容サロンやパーティールームを備えるほか、IT(情報技術)を活用したきめ細かいサービスも提供。ベッドから起き上がるなどの入居者が転倒につながりそうな動きをした際には赤外線センサーで検知し、職員のタブレット端末に通知する。

ベネッセ傘下のベネッセスタイルケア(東京・新宿)は年15施設新設する計画。中でも注力するのは月額100万円程度の高級ホーム「アリア」だ。フランス料理のコースや懐石料理を食事メニューに組み込むなど趣向を凝らす。

各社が高級老人ホームに力を入れる背景には、富裕なシニア層の拡大がある。野村総合研究所によると、15年に「純金融資産」が1億円以上の世帯数は約122万世帯と13年より2割増えた。富裕層の多くはシニアという。近年のアベノミクス効果による株高が要因だが、とりわけ関西は一世帯あたりの株式保有額が高く、資産効果が出やすい。

総務省発表の人口推計でも16年の65歳以上の高齢者が人口に占める割合が27%超と過去最高となっており、各社とも商機拡大を捉える戦略だ。

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