球場が呼んでいる(田尾安志)

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「代打・村田」を考える 監督がとるべき大人の対応

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2017/4/16 6:30
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巨人の開幕オーダーを見て「おや?」と思った人は多かったのではないか。不動の三塁手だった村田修一の名がなく、代わって「5番・三塁」に入ったのは今季加入した元楽天のケーシー・マギー。昨季25本塁打、81打点でチーム2冠、三塁手でベストナインにも輝いた村田がスターティングメンバーから外れた事実に、改めてプロの世界の厳しさを見る思いだった。

代打で本塁打を放つ巨人・村田=共同

代打で本塁打を放つ巨人・村田=共同

4月1日、対中日2回戦の解説で東京ドームを訪れた私は「心中いかばかりか」と思い、試合前に村田をつかまえて話をした。「気持ちは大丈夫か」と尋ねると「僕も大人ですから。大人の対応でやりますよ」。沈んだ表情ではなかったので、とりあえずは安心した。

ベテランとの相互理解は?

日本代表のコーチを務めた2002年の日本・台湾交流大会でメンバー入りしていたのが、当時日大の村田だった。あのとき20歳そこそこだった若者がもう36歳。本当に時の流れは早い。

村田は昨季、3割2厘と打率も合格点の成績を残しているが、それでも開幕戦の先発メンバーに入ることができない。もし私が現役時代に村田の立場に立ったとしたら、はたして耐えられるだろうかと考えてしまった。

開幕カードということで慌ただしく、高橋由伸監督にじっくり話を聞けなかったので、代わりに今季の起用方針について江藤智打撃コーチに聞いてみた。開幕戦は三塁がマギー、一塁には阿部慎之助が入ったが、江藤コーチいわく「阿部も全試合はもたないし、マギーもそうでしょう。そういう意味では、村田との3人でうまくローテーションしながら一塁と三塁を守ってもらう、ということじゃないでしょうか」。

村田はその後も代打要員となっているが、現役時代の終盤を暗黒時代の阪神で過ごした私からすると、たとえ代打でも毎年のように優勝を争うチームにいられる幸せはあると思う。巨人は開幕5連勝と絶好のスタートを切ったから、ある意味納得できている部分もあったのではないか。高い給料を払ってマギーに来てもらった手前、開幕からスタメンで使わなければ、という心理が高橋監督に働いたことは容易に想像できる。

高橋監督(左奥)ら首脳陣はベテランと互いに理解できているか=共同

高橋監督(左奥)ら首脳陣はベテランと互いに理解できているか=共同

問題は負けが込んできたり、阿部やマギーが打てなくなったりしたときで、村田とすれば「何で俺をスタメンで使わないんだ」となる。そこで大事になるのが、監督やコーチが日ごろからベテランをリスペクトしてその考えに耳を傾け、相互理解ができているかどうか。首脳陣は、選手から不平や不満が出るのは当たり前と思っていなければいけない。3割を打ってベストナインまで取った選手を外すのだから、なおのことその覚悟が要る。

選手起用の意図、自ら伝えて

この先、巨人が不振でがたがたっとなったときに、3人のうち誰かが不平を言い出すかもしれない。そのときこそ高橋監督の腕の見せどころ。選手起用の意図を、コーチから伝えさせるのでなく、自ら説明するようにしてほしい。

よく「監督が使ってくれない」とすねた態度をとる選手がいるが、すねるのもやる気の表れだと私は考える。選手は試合に出たくて仕方がないのだから。そういう選手を「あいつは生意気な態度をとったからチームの方針に沿わない」とメンバーから外すようなら、あまりに短絡的だ。

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