広告詐欺許さない!最大手のサイバーが指針

2017/4/12 6:30
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広告効果が見込めないのに不正に料金を受け取る「アドフラウド(広告詐欺)」が広がっていることを受け、インターネット広告最大手のサイバーエージェントが対策に乗り出す。グループ横断で対策ガイドラインを作り、不正なサイトに広告を出さないようにする。国内でのアドフラウドの被害規模は年300億円に達する可能性があるとみられており、ネット広告の信用維持に乗り出す。

サイバーエージェントはこのほど、社内のネット広告を手がける事業部門や法務部門などグループ横断で「アドフラウド対策委員会」を立ち上げた。月内にも対策ガイドラインを作り、アドフラウドが疑われる行為やサイトを明確に定義し、広告出稿を制限する仕組みをつくる。

例えば、広告を出稿したサイトに、同じコンピューターから短期間に一定数以上のアクセスがあった場合、アドフラウドとみなし、広告料が発生する閲覧数としてカウントしないほか、次の出稿を取りやめるなどの対処を検討している。

これまで部門や子会社ごとにアドフラウドを防ぐための対策をしていたが、グループ横断の仕組みがなかったため、アドフラウドが疑われるサイトの完全な排除は難しかった。業界トップのサイバーエージェントが対策することで、アドフラウド排除に向けた業界の動きも加速しそうだ。

国内のネット広告市場は順調に伸びている。電通によると、2016年の市場規模は1兆3100億円。5年前と比べて、6割以上伸びている。最近は、大手企業がテレビ向け予算をネットに振り向ける動きもある。

市場拡大とともに、アドフラウドも増えている。ネット経由で広告を自動配信する「運用型広告」の規模は、15年で約6000億円。アドフラウド対策を手掛けるシステム開発会社、モメンタム(東京・港)などは運用型広告の約5%にアドフラウドの可能性があると試算している。サイバーエージェントでネット広告事業を統括する岡本保朗専務も「手口がどんどん巧妙になっている」と危機感を強めている。

ネット広告は視聴者の属性や購買動向などに応じて広告を出し分けられるため、同じサイトを見ている人でも出ている広告が違う。このため、新聞やテレビに比べて、広告の掲載確認がしづらく、アドフラウドが横行する一因になっていた。

アドフラウド ウェブサイトやアプリに配信する広告について、実態がないにもかかわらず、料金を請求する行為。視聴者が分からないほど高速でサイトを更新し、掲載実績だけ稼ぐ自動更新や、「ボット」と呼ばれるコンピュータープログラムを使って広告に大量に不正アクセスして、閲覧数だけを水増しする手口などがある。

(企業報道部 山端宏実)

[日経産業新聞 2017年4月12日付]

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