2018年8月22日(水)

マスターズの名場面、IBMワトソンが自動編集

スタートアップ
2017/4/13 6:30
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VentureBeat

 ゴルフトーナメントのテレビ中継でベストショットをとらえるのは簡単ではない。そこで、米IBMは人工知能(AI)型コンピューター「ワトソン」を使い、男子ゴルフのマスターズ・トーナメントでベストショットを検出する役割を担った。

 IBMはワトソンの視覚や聴覚の認知・学習能力を活用し、観衆の声援やゴルファーのしぐさなどから優れたショットを判別。独自のハイライト映像を制作する。ワトソンがスポーツ大会で使われるのは今回が初めてとなる。

 90人のゴルファーが4日間にわたり戦いを繰り広げるため、各ティーグラウンドやホール、様々なカメラアングルで撮影した映像は優に数千時間分になる。

 IBMの研究開発部門であるIBMリサーチとIBMインタラクティブ・エクスペリエンス(IBMiX)は、生中継の映像からショットのハイライトを自動収集するアプリ「コグニティブ(認知)ハイライツ」を開発。これを使えば短い時間で簡単にハイライト映像を制作できる。歓喜しているゴルファーやゴルフスイングの始動も判別可能だ。

 これはIBMがプロデューサーやメディア、ひいてはファンのために独自コンテンツを制作する土台になるだけではない。マシンビジョンや聴覚を使い他の分野の多くの問題を解決する足がかりにもなる。

 この技術の有望性を示す一つの例が、メディアや娯楽分野での応用だ。これを使えば、テレビ中継のプロデューサーの膨大な作業がどれほど楽になるかを想像してもらいたい。ワトソンはプロデューサーにアドバイスし、加工の下敷きとなるハイライトの基本パッケージを提供する。

 ハイライトのダッシュボードは(大会期間中に)マスターズのサイトに掲載された。今年のテレビ中継では使われなかったが、マスターズのアプリのコンテンツとしてSNS(交流サイト)でも公開された。

 このシステムではテレビ映像と光学式文字読み取り装置(OCR)を使い、ゴルファーの名前とホール番号を自動で収集。このメタデータをハイライトから抜き出したコマにタグ付けし、ダッシュボードに投稿した。将来的には、「大会期間中のX選手のハイライトを全て見たい」といった検索が可能になったり、好きなゴルファーを編集した独自のハイライト制作に使われたりするだろう。

 IBMは(マスターズが開催された)米ジョージア州オーガスタのメディアセンターに「コグニティブルーム」も開設。アプリについての説明や、会話によるリクエストに応じて(ワトソンを搭載した)壁面スクリーンに選手のデータやハイライトを表示する機能など、報道関係者がマスターズを裏で支えるIBMの役割を存分に体験できるようになっている。

By Dean Takahashi

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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