最新の市場情報

※営業日はリアル更新
日経平均株価(円) 21,696.65 +239.01
日経平均先物(円)
大取,17/12月
21,740 +290

[PR]

豊島逸夫の金のつぶやき

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

試される「安全資産」の実力

2017/4/10 15:53
共有
保存
印刷
その他

 日本時間7日に米軍によるシリア攻撃の第一報が入ってから、米雇用統計の発表、米中首脳会談とビッグイベントにマーケットは揺れた。週末にはスウェーデンとエジプトでテロが勃発した。

 有事の円高、地政学的リスクで日本株安に振れるかと思いきや、10日の東京市場は円安・株高になっている。

 円相場はシリア空爆直後に瞬間的に1ドル=110円10~20銭台まで円高が進行したものの、米雇用統計発表後にドル高・円安に転じ、111円台を回復している。雇用統計は非農業部門の新規雇用者数こそ予想を大幅に下回ったが、失業率と平均時給の改善傾向が評価された。そして、良い雇用統計は6月の米利上げに追い風となる。

 結果的には、地政学的リスクより米金融政策のほうが、市場変動要因として勝ったことになった。

 そもそも、有事の円買いは一過性で終わることが多いが、米金融政策の市場への効果は持続性がある。

 なお、債券市場でも、「安全資産」とされる米国債が売られ、10年債利回りは2.3%台前半から2.3%台後半まで上昇した。

 金も「安全資産」として買われ、一時は1トロイオンス1270ドルを瞬間的に突破したが、雇用統計後のドル高で、みるみる値を消し、結局1250ドル台前半まで下げた。

 シリア空爆というショッキングなイベントが勃発しても、米国債と円と金がいずれも売られ、「安全資産神話」が崩れた感がある。

 もちろん、今後、地政学的リスクが悪化すれば、さすがに、マネーは安全性を求めて逃避するかもしれない。具体的なケースとしては、北朝鮮への米国の軍事介入、シリア上空での米ロの偶発的な衝突などが想定される。

 はたして、「プーチン大統領の友人」とされるティラーソン米国務長官のロシア訪問で、なんらかの妥協の糸口がつかめるか。

 そもそも、トランプ大統領が「自分は柔軟な人間」と語りつつ、孤立主義から一転、中東へ介入し始めたことも、やはり「予見不可能」との不安感を強める。

 北朝鮮に関しては、中国の積極的関与が期待薄だ。

 マーケットは地政学的リスクへの耐性をつけてきたが、やはり、今後「安全資産」の本当の実力が試される局面が来る可能性も覚悟せねばなるまい。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

豊島逸夫が語り尽くす 金 為替 世界経済

出版:日経BP社
価格:1026円(税込み)

日経電子版マネー「豊島逸夫の金のつぶやき」でおなじみの筆者による日経マネームック最新刊です。

豊島逸夫の金のつぶやきをMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる。業界がみえる。ニュースとデータをまとめてチェック!