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日本ハム我慢のとき、ブルペン整備から活路

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2017/4/11 6:30
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もっとも、吉井コーチには「(短いイニングを担う)中継ぎに限っては、右投手は左に弱く、左は右に弱いというのは時代遅れの考え方では」との持論もある。その意味で七回を任される左腕の宮西が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で新たな感覚をつかんで帰ってきたのは大きい。これまで右の強打者がそろう場面では、「不安を感じながらマウンドに上がっていた」。それが、侍ジャパンの小久保裕紀監督や権藤博投手コーチから「右打者も抑えられると言ってもらえた。右とも結構対戦したんで不安なく上がれるようになった。一皮むけたと思う」と言い切る。

栗山監督(中央)は「最後に笑えばいい」と語る=共同

栗山監督(中央)は「最後に笑えばいい」と語る=共同

極端なほどの「中継ぎ偏重」であることは間違いない。大谷不在の先発陣を見渡せば、右肘の手術で昨季を棒に振り、復活を期す上沢直之(23)や、最近4年でわずか3勝の斎藤佑樹(28)が開幕ローテに名を連ねた。開幕9試合のうち6試合は先発が六回もたず降板と手薄感は否めない。それでもオフに昨季ローテ要員だった吉川光を放出。本人の希望を受け入れ、昨季先発で10勝した増井を救援に戻した。根底には、粘りながらペナントを勝ち取ろうとの首脳陣の覚悟がのぞく。

「救援陣が生命線」

大谷、中田翔とビッグネームこそいるが、ソフトバンクのように投打で他を圧するほどの戦力はない。限られた戦力で昨季、日本一まで駆け上がった背景にリーグ最多タイの35試合の逆転勝ちがあったことを忘れてはならない。それを支えたのが、試合後半の六~九回の被打率が2割2分3厘とリーグで群を抜いていたブルペン陣だった。投げては10勝、打っては20本塁打と大谷のスーパーマンぶりばかりがクローズアップされたが、「うちはブルペンのチーム」と吉井コーチが言えば、栗山監督も「救援陣が生命線」と相づちを打つ。

そんな監督にとって、増井、谷元、そして鍵谷ら、続々と"守護神襲名"の希望が伝わってきているのは心強いはずだ。今はマーティンがその栄誉に浴し、「抑えにもう一度チャレンジして納得する結果を残したい」という増井は八回が持ち場。ただ、評価を落としたわけではない。吉井コーチは「今の野球は、後がなく相手も焦る九回より、八回の方が難しいのでは。八回は流れがどっちに行くかわからない大事なイニング」と話す。昨季は、谷元や宮西が併用されてきた日本ハムとともに、八回に定着して67試合に登板し、防御率1.71の成績を残したジェイ・ジャクソンの存在が広島の覇権奪還につながったことを考えれば説得力はある。増井も「いかに九回に投げる投手が準備しやすくするかが大事」と心得ている。

大谷の「全面離脱」は痛く、しばらくは厳しい戦局が待ち受ける。2試合で14失点の有原航平(24)ら先発のここまでの不出来も想定外のスタートだろう。それでも、開幕前、栗山監督は「とにかく我慢し続けて、最後に笑えばいい」と自らに念じるように話していた。15連勝した6月以降の快進撃が日本一への足がかりとなった昨季のように、いまは「名」よりも「実」を取るように地道に救援陣を整備し、戦力が整ったときに一気に浮上を図る。今季もそんな戦いに連覇を懸けることになる。

(西堀卓司)

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