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守・破・離への道(岡田武史)

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複合型スタジアムへどんどん膨らむ「妄想」

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2017/4/10 6:30
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今、私が没頭していることの一つに、付帯施設を備えた複合型スマートスタジアムの今治市(愛媛県)での建設計画がある。少子高齢化や人口減社会など、何かと暗い話題に縁取られがちな地方都市の未来を明るく照らすものとして、スポーツを街づくり全体の軸に据えたらどうか、その活動の拠点に、いまだかつて日本にはなかった複合型スタジアムを持ってきたらどうか。そんな大望を実現させるための方途を必死になって探している。

私がオーナーを務めるFC今治は今シーズン、日本フットボールリーグ(JFL)を戦っている。全国規模のサッカーリーグとしてJFLはJリーグ1部(J1)、2部(J2)、3部(J3)の下に位置する"4部"ということになる。3月5日に開幕し、26日のファーストステージ第4節終了時点で16チーム中13位(勝ち点3、3分け1敗)というのがFC今治の現在のポジションだ。

夢スタ足場にさらなる計画

成績についてはそれほど心配していない。高司裕也ゼネラルマネジャーや吉武博文監督ら強化スタッフにとっては初めて経験する全国リーグ。昨季まで戦っていた四国リーグとは勝手が違うことも多い。外国人選手を含めて戦力の入れ替えもあった。今はいろいろな問題に直面しながら、体験し吸収し試行錯誤してチームづくりを進めている段階。4試合をしていまだ未勝利といってもサッカーの中身自体は悪くないし、苦労は必ず報われるときが来ると思って、今は静かに見守っている。1年でJ3に昇格という目標はいささかも揺らいではいない。

8月に完成する5000人収容のスタジアム(イメージ図)

8月に完成する5000人収容のスタジアム(イメージ図)

それはさておき、JR今治駅から5キロほどの丘陵地帯に現在建設中の「ありがとうサービス・夢スタジアム(通称夢スタ)」は8月20日に完成予定だ。こけら落としの試合は9月10日のJFL、ヴェルスパ大分戦になる。これまでホームとして使ってきた桜井海浜ふれあい広場と違って、夢スタはJ3仕様に合致した収容人数5千人のサッカー専用競技場である。

この夢スタを足場に、さらに大きな計画を温めている。夢スタのある「高橋ふれあいの丘」という丘陵地帯は、もともと今治新都市構想のために用意された土地で、すぐ近くには16面のテニスコートを備えたスポーツパークや「イオンモール今治新都市」が既にある。それらに隣接した土地に1万5千人収容の複合型スタジアムをつくる計画を私が勝手に妄想している。

将来、FC今治がJ2やJ1で戦うことになったら、リーグが要求する条件に合致したスタジアムが必要になる。J2やJ1で戦う力はあるのに、スタジアムが要件を満たしていないので昇格できないという事態を避けるには今から手を打っておかないといけない。

追い風も吹いている。日本政府は昨年6月の閣議決定で「日本再興戦略2016」と題し、スポーツの成長産業化を官民戦略プロジェクトの一つに位置づけた。スポーツの市場規模を2020年に10.9兆円、25年には15.2兆円と、現在の2倍、3倍に拡大させる考えを持っている。そのためには、スポーツをコストセンター(公的資金中心の負担の対象)からプロフィットセンター(官民協働による収益を生み出す対象)に変えていかなければならない、ともしている。

そういう大きなうねりの中で、16年度(平成28年度)の政府の補正予算で「観光資源等を活用した地域高度化計画の策定等支援事業(魅力あるスタジアム・アリーナを核としたまちづくりに関する計画策定等事業)」という項目が立てられた。その事業の委託先として経済産業省が選んだ中にデロイトトーマツコンサルティング(東京・千代田)があり、同社とFC今治は今治市をはじめ、複合型スマートスタジアムの実現に向けて協力してくれる企業、教育機関、医療機関、金融機関とで構成する協議会を立ち上げた。これまでに2回の合宿を行うなど、計画を推進するための体制づくりや議論を深めてきた。

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