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株安円高 FOMCに揺れる市場

2017/4/6 10:50
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 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は注目材料とされるが、結局、市場は動かないことが多い。マーケット参加者たちも高をくくっていた感がある。しかし今回は、その経験則が覆された。

 米ダウ工業株平均株価は約200ポイントの幅で急落。米民間雇用サービス会社ADPが公表した雇用統計の予想を大きく超える好転による上昇分が吹っ飛んでしまった。ドルと金利も急速に下げる結果になった。

 では、今回のFOMC議事要旨のどこが市場変動要因となったのか。精査してみよう。

 まず、事前にも注目度が高かった、米連邦準備理事会(FRB)バランスシート縮小議論に関して以下のように、かなり具体的な言及があった。

 「ほとんど(most)のFOMC参加者は年後半、債券再投資政策の変更が妥当であろうと判断した」

 「ほとんどの参加者は金利が主要な金融政策手段との見解を示した」

 「FRBによる保有債券量縮小は、緩やかで、かつ予見可能であるべきだとの点で参加者は合意した」

 「対象となる債券は国債と住宅ローン担保証券(MBS)の両方とする見解が一般的であった」

 「利下げが必要なほど重篤な経済ショックに遭遇した場合には、債券再投資政策の再開が適当との一部の意見もあった」

 年内開始が妥当と考える参加者が「ほとんど」とされたことには、「そこまで議論が煮詰まっていたか」とのサプライズ感があった。市場はまだ織り込まない段階で、受け入れ準備も十分ではなく、かなり動揺した。それゆえ市場間で反応に違いが見られる。

 株式市場は新たな金融引き締めを警戒して、売りに走った。

 一方、債券・外為市場ではFRBバランスシート縮小が利上げの代替手段として理解され、利上げ回数が減るのでドル金利低下、ドル安の方向に動いた。

 この背景は、本欄3日付「急浮上する『米利上げ代替案』FRBの資産縮小に市場身構え」を参照されたい。

 次に、FOMCで珍しく株価水準が議論された。

 「2~3人(a few)の参加者は最近の株価上昇の理由として、強い経済成長期待より法人税減税や投資家のリスク許容度の増加を挙げた。数名(some)の参加者は株価が標準的な評価基準では、かなり高いとの見解を示した」

 ここでは特に、現在の株価が割高との発言が株式市場には響いた。

 FOMC参加者が株高株安を論じるべきではない、との意見もあるが、直接的表現なので市場は反応する。

 そして、トランプ財政政策についても意見が述べられた。

 「参加者は財政政策の時期や内容の変更についてかなりの不安定性があることを強調した。数名(several)の参加者は、本格的な財政刺激政策は2018年まで始まらないと予想した」

 市場ではトランプ大統領の経済政策実現性について疑念が高まっているところに、年内は不透明感が続くことを連想させる表現が出た。市場の不安感は募る。

 ほぼ同じタイミングでライアン下院議長(共和党)が、「税制改革は、医療改革法案より時間がかかる」と発言したことも注目された。

 総じて、財政政策がもたつく間に金融正常化加速が先行する状況のなかで、市場の模索が続きそうだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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