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マスターズ開幕へ 松山、新時代の扉こじ開けよ

ゴルフジャーナリスト 地平達郎

スローペースだった桜前線がスピードを上げて北上し、いよいよ春本番。待ちに待ったゴルフシーズン到来である。これに合わせたかのように、米ジョージア州のオーガスタナショナルGCで6日、男子ゴルフのメジャー第1戦、マスターズ・トーナメントが開幕する。

四大大会の中でもっとも歴史の浅いマスターズをゴルファーたちがワクワクし、心待ちにするいちばんの理由は「世界で最も美しいゴルフコース」オーガスタナショナルで行われるからだ。

開催コース、ゴルファーの憧れ

全米オープン、全英オープン、全米プロの3大会は開催コースが毎年変わるのに対し、マスターズは1934年の第1回大会から80年以上、オーガスタナショナルで開かれている。

30年にアマチュアながら当時の四大大会を同一年で制したボビー・ジョーンズ(米国)がほれ込んだ土地に、アリスター・マッケンジー(英国)が設計した18ホール。テレビの画面を通じても十分にそのきれいさが伝わってくるが、実際にコースに足を踏み入れた人は一瞬、息をのむほど感動するという。まさに、ゴルファーなら「一度は見てみたい、回ってみたい」憧れのコースで行われる。

マスターズがこれほどまでに名声を得たもうひとつの理由に、アーノルド・パーマー(米国)の存在があった。昨年9月25日に87年の生涯を閉じたパーマーは55年の初出場(10位)以来、74歳の2004年まで、50年連続出場の記録を持っている。

優勝4回(58年、60年、62年、64年)は、タイガー・ウッズ(米国)と並んで歴代2位。ジャック・ニクラウス(米国)の6回には及ばないが、パーマーの出現と活躍がマスターズの名を一気に高め、不動のものにした。

それまでのゴルフトーナメントは、野球やフットボールの圧倒的な人気の陰にかくれていたが、パーマーの登場でファンがコースに詰めかけ、テレビ中継も始まり、プロスポーツ興行として確固たる地位を築いた。その最高の舞台がマスターズであり、オーガスタナショナルだった。

マスターズがパーマーを育て、パーマーがマスターズを有名にした――といわれるゆえんでもある。しかし、パーマーはもうオーガスタナショナルに来ない。今年のマスターズでは、パーマーをしのぶメモリアルイベントが行われるだろう。

30年代の草創期を経て、パーマーが50年代後半から人気のある大会にし、60~70年代のニクラウス、70年代から80年代にかけてのトム・ワトソン(米国)、さらに90~2000年代のウッズら、折々の名選手たちが引っ張ってきた。その最大の象徴ともいえるパーマーがいなくなり、ウッズも欠場する17年は「新しい時代」がスタートするような気がしてならない。

新時代の幕開けに松山英樹(25)、池田勇太(31)、谷原秀人(38)の3人の日本人選手が挑む。今年2月のフェニックス・オープンでツアー4勝目を飾った松山は世界ランキング4位。昨年の国内賞金王の池田と、世界ゴルフ選手権シリーズのデル・マッチプレーで4位になった谷原は世界ランク50位以内で、それぞれ出場権を獲得した。

池田と谷原の活躍にも期待

中でも一昨年5位、昨年7位と、2年連続してベスト10をキープしている松山に、いよいよ「その上」の期待がかかる。ドライバーの飛距離、アイアンの正確さなど、ショットの力は米ツアーで一目も二目も置かれ、優勝候補を占う「オッズ」でも上位に指名されている。課題はパッティングといわれており、これを克服すれば昨年優勝のダニー・ウィレット(英国)からグリーンジャケットを着せてもらう可能性も夢ではない。

日本では桜の花が、オーガスタナショナルではコースを代表するアゼリア(西洋ツツジ)の花が、日米でそれぞれ今を盛りと咲き誇る最高の季節と舞台が整い、早起きの4日間が始まる。

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