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露テロ衝撃で復活 有事の金買い

2017/4/4 11:35
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 ロシアのサンクトぺテルブルクで起きた地下鉄爆発事件の第一報が入るや、ニューヨーク金価格が1246ドル台から1254ドルまで急騰を演じた。近年、有事に金市場は反応薄になり、欧州での相次ぐテロ事件でもほとんど動かなかった。しかも、金市場内部では買いを膨らませていた投機筋が売り手仕舞いの機会を模索する局面で、高値警戒感も根強かった。

 それゆえ、昨日の有事の金買いは市場がロシア発の地政学的リスクを特に重く受け止めていることを映す現象だ。

 さらにサンクトぺテルブルクの事件が「テロ行為」と見なされ、パリなどで地下鉄駅での警戒が強化されたことが、「欧州への飛び火」を連想させている。4~5月に市場での最大イベントとされる「フランス大統領選挙」でもルペン候補に追い風となりそうだ。プーチン大統領もルペン候補と直接会談するなど、支持を表明している。それゆえ、国内外で顕在化しつつある反プーチン運動の標的にもなりやすい。

 ロンドンにもテロ事件の余韻が強く残る。そして、地政学的リスクとしては朝鮮半島有事の可能性も見逃せない。フィナンシャルタイムズ(FT)紙でのインタビューで、トランプ大統領が「中国が動かずば、米国が単独で動く」と発言したことで「有事モード」が強まった矢先の出来事でもあった。

 英、仏、露での切迫したテロ脅威に北朝鮮リスクが加わり、地政学的リスクが複合的に共振してきた。

 世界の投資マネーが安全資産とされる米国債市場にも逃避し始めたことは、ドル金利低下を通じてドル安要因となり、金買いを刺激する面もある。6月利上げを阻む要因ともなりうる。そして「有事の円買い」の兆候も見られる。

 なお、トランプ大統領が娘婿のクシュナー氏に、習近平主席訪米の際の受け入れ担当、イラク電撃訪問など中東担当、そしてホワイトハウス内の新設組織で行革担当を同時に命じたことが金市場でも不安要因として論じられている。国務省、国防総省の動きと平行して身内として信頼の厚いクシュナー氏を「チェスのコマ」のごとく使っていることに地政学的問題への対応リスクを感じとっているのだ。

 一方で、対テロを錦の御旗にトランプ氏とプーチン氏が接近するシナリオも考えられる。とはいえ、トランプ政権が大統領選挙などでのロシアとの関係を取り沙汰されていることも事実だ。両者が協調路線と言っても同床異夢となる可能性が強い。

 一過性に終わりがちな「有事の金」だが、視界不良の4~5月相場では反落しても下値は限定的である。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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