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カズ流 究極の日常 50歳、走り続ける準備と精神

2017/4/4 2:30
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 現役最年長のサッカー選手、三浦知良(横浜FC)が50歳のJリーガーとして走り続けている。今季、J2のリーグ戦6試合のうち5試合に先発、3月12日には得点も挙げた。働き続けるための準備とプロセスを、楽しみながら徹底的に追求する姿は、ありふれた50代の労働観に一石を投じるようでもある。

ゴールを決め喜ぶ横浜FCの三浦知良(3月12日の群馬戦)

ゴールを決め喜ぶ横浜FCの三浦知良(3月12日の群馬戦)

 未踏の領域を歩む「カズ」こと三浦は突出した肉体の持ち主というわけでもない。ただ、自分に課すルールが事細か。

 体調維持に良かれと思い、夕方6時に寝る習慣を試みたことがあるという。だが「それでは寝過ぎで、逆に体に良くないみたい」。だからやめた、と笑う。そこまでやるのか、と思えるほどのストイックぶりで知られる。夜はいち早く寝て回復に努め、早朝にクラブへ来て体幹トレーニングなどをこなし練習に向かう。練習後はケアをみっちり。

 交代浴、関節の可動域や神経に重きを置いた鍛錬。最新の知見を採用し、試し、細目はその都度変わるが、体のメンテナンスに特化した生活ルーティンが確立している。「得点するより、日々(の練習で)確たる強度と質を保ち、ベストの状態であり続ける方がすごいこと。見えにくい部分が大事だし、難しい」と弊紙コラムでも強調。喝采されるゴールはカズという選手の氷山の一角でしかなく、目立たぬ日常に50歳のこだわりは詰まっている。

 ある年のオフ。朝6時から走ることを自分に課した。走らなくてもいいや、と楽に傾く自分との闘いのためという。肉体的なつらさより「(精神的に)自分に負ける方がストレス」と。挑戦が、呼吸するのと同列のように生活に組み込まれている。「きついけど、楽しい」を好み、苦しみも楽しんでいるかのよう。そんなメンタリティーこそ美質だろう。

 走るという体力の土台を特に重視し、磨いていることも、長持ちの秘訣の一つだろう。オフや自主トレ時にみっちり走り体を鍛える。練習場へ行けば、2回り若い選手と競って走り、同じメニューをこなす50歳に会える。“非常勤の名誉職”では決してない。

 J2開幕とともに迎えた50歳の誕生日。「まだうまくなれる気がする」と語り、続けられる理由を尋ねられて「好きだから」「意欲が尽きないから」と答えた。心の燃料が尽きない限りは走り続けるのだろう。

 この数年、ケガで出場ままならぬ期間も味わった。そこで腐らず、準備の習慣を曲げず、50歳でのパフォーマンスにつなげている。だから「結果が出ないときも、腐らず続けろ」という言葉が周りの選手の心を打つ。そんな姿が、サッカーというカテゴリーの外側にいる「カズ世代」へも共感として響くのかもしれない。

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