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ブロックチェーン活用広がる 偽ニュース対策など情報の信頼性向上

2017/4/10 11:30
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 ブロックチェーンと呼ばれる新しいIT(情報技術)の利用分野が広がっている。今までフィンテックといった金融の分野に限られていたのが、様々な製品のトレーサビリティー(生産履歴の追跡)など情報に対し高度な信頼性が求められる分野で実用化の動きが本格化している。新たなビジネスチャンスの獲得を目指し、事業の多様化を進めるフィンテックベンチャーも増えそうだ。

■なりすまし・内容改ざん不可能に

 昨年11月の米大統領選で一躍有名になったのが「フェイク(偽)ニュース」という言葉だ。ネット上に広がる虚偽の情報のことで、当選したトランプ氏は「フェイクニュースを信じるな」と繰り返し発言し、話題を集めた。欧米では政治、社会に多大な影響を及ぼしているとして社会問題にまで発展。当局やメディアが対応に乗り出すなか、信頼性向上にブロックチェーンの技術を活用しようとの機運が高まっている。

 ブロックチェーンはインターネット上の複数のコンピューターで情報を共有しながら正しい記録を蓄積する仕組みで、分散型台帳技術とも呼ばれる。もともと仮想通貨「ビットコイン」などフィンテックの分野で実用化が進んだが、参加者全員による相互監視で記録の改ざんが難しいなどの利点が注目され、なりすましやコンテンツの内容改ざんといったメディア向けの不正防止策へも応用される。

 暗号通貨技術を持つベンチャー、テックビューロ(大阪市)はブロックチェーンを導入するためのソフト「mijin(ミジン)」を、ネットニュースを配信する米大手メディアに夏ごろまでに提供を始める予定だ。ミジンを使えば本人と広報担当者、本人と上司など複数の関係者が持つ鍵(権限)がそろわないと書き込みができず、配信記事の正当性を担保できる。また、いったん書き込まれたデータも関係者の承認がないと修正できず、仮に修正できても履歴が残る。入力したデータは高度に暗号化され、しかも同時に複数のパソコンに共有されるため、第三者が改ざんすることも難しいという。テックビューロにはこの機能を導入したいと複数の引き合いがきている。

■生産から流通まで全工程を透明化

ブロックチェーンで管理した生産情報を付与した野菜。QRコードが付いており、スマートフォンを使って栽培過程をみることができる。
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ブロックチェーンで管理した生産情報を付与した野菜。QRコードが付いており、スマートフォンを使って栽培過程をみることができる。

 製品の信頼性を高めるために重要なのが、生産から販売までのトレーサビリティー(追跡可能性)を高めることだ。中でも安全性への意識が高い食品については実用化の動きが加速する。電通国際情報サービス(ISID)は昨年10月から有機農業に取り組む宮崎県東諸県郡綾町で取れた野菜にブロックチェーンで管理した情報を付与する実証実験を開始。25日にはアークヒルズ(東京都港区)で開かれた朝市「ヒルズマルシェ」に出店し、生産情報を付与した野菜を販売した。包装にQRコードが付いており、消費者はスマートフォンで野菜の栽培過程をみることができる。データの改ざんが難しいブロックチェーンを活用することで、消費者は安心して品質を確認できる。

 生産から流通までのすべての工程を透明化できるという利点は、他の商品にも応用可能だ。例えばコンサートなどのチケットは再販に対する規制が厳しい。ブロックチェーンの技術を活用しトレーサビリティーを高めれば、正規ルートで購入したチケットかどうか判別可能で、結果的に不正売買を防げる。ほかにも商品の在庫や著作権の管理、さらには正しい勤務時間を把握するためにタイムカードなどへのブロックチェーンの応用が検討される。今後、様々なサービスが誕生する可能性が高い。

 「社会を変える技術」といわれるブロックチェーン。株式市場では収益貢献を織り込む動きはほとんど見られないが、収益化の芽は様々な分野へと広がっている。〔日経QUICKニュース(NQN) 鈴木孝太朗〕

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