サウスポーの視点(山本昌)

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シーズン開幕 「世界最高品質の野球」堪能しよう

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2017/4/2 6:30
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プロ野球が開幕した。毎日テレビをつければ野球を見られる。胸躍る季節がまた巡ってきたわけだ。野球は日本の国民的スポーツだ。毎年多くのファンに応援してもらっているが、今年はいつもより声を大にして「日本のプロ野球は面白い」とアピールしたい。そんな誇らしい気持ちにさせてくれたのが3月の野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)である。

選手のプライドより勝利優先

戦前は厳しい戦いが予想された日本代表「侍ジャパン」だったが、東京ドームで行われた1、2次リーグを6戦全勝で乗り切った。大リーガーが主体のオランダ戦を筆頭にどちらに転ぶかわからない試合を勝ちきる中で、チームがまとまり、強くなっていった。ロサンゼルスに渡っての準決勝も米国とがっぷり四つで渡り合った。最後は競り負け、2大会ぶりの優勝はならなかったが、その奮闘ぶりは見事だった。多くの人が興味を持って見てくれ、大会も盛り上がった。

東京で見事な投球を見せた千賀は米国戦でも好投した

東京で見事な投球を見せた千賀は米国戦でも好投した

この準決勝は日本が正攻法の横綱相撲を取り、米国が面目を捨てて勝ちにきた印象を受けた。先発の菅野智之(巨人)、2番手の千賀滉大(ソフトバンク)に託した日本に対し、米国はオールスター級の大リーガーを小刻みに継投してきた。選手個人のプライドなどお構いなし。トーナメント仕様の「明日なき戦い」だった。

両軍が5回対戦したら3勝2敗、もしくは2勝3敗になるだろう。お祭り気分で来日した大リーガーに日本のスター選手たちが粉砕されていた昔の日米野球を思えば、米国にこれだけ警戒感を抱かせ、本気にさせたという事実に隔世の感がある。日本の野球は世界を上回るペースで進歩してきたということだ。

日本野球の質の高さを感じたのは2次リーグのオランダ戦だ。試合は延長戦にもつれこみ、無死一、二塁からのタイブレークが適用される十一回に入った。日本は不利な先攻だったが、先頭の鈴木誠也(広島)が初球にあっさりと送りバントを決め、続く中田翔(日本ハム)が決勝の適時打を放った。広島ではクリーンアップを打つ強打者の鈴木が緊迫した場面で簡単に送りバントを成功させる。きめ細やかな芸当は日本ならではだろう。

体格やパワー、厳然とした差

一方、野手の体格やパワーでは厳然とした差があるとも改めて感じた。米国戦の終盤、単打でしか好機をつくれない日本を尻目に、米国は長打で突破口を開いていった。東京ドームでは威力を発揮した日本打線も、慣れない球場で大リーグの投手が相手となると、力負けした感が否めない。

米国に野球留学していた私の経験に照らしても、日本は基本技術やチームプレーへの意識の高さ、練習方法、多彩な戦術などにおいて世界トップクラスだと思う。だが悲しいかな、日本が築き上げてきた緻密さや精度をすべて吹き飛ばす圧倒的な体格やパワーを大リーガーは持っている。これはいかんともしがたい現実だが、いいかえればそうしたハンディを乗り越えてほぼ対等に戦えるほど、日本は精度の高い野球をしているということなのだ。

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