2019年5月21日(火)

農薬散布ドローン、日中で空中戦

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2017/3/30 6:30
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農薬の散布を専門とするドローン(小型無人機)の発売が相次いでいる。TEAD(群馬県高崎市)は2016年7月からこれまでに約100機を販売。今月にはドローン世界最大手の中国DJIが日本市場に投入した。いずれも最大10リットルの農薬を積載して10分ほどの飛行が可能。農家などが扱いやすい機能の充実をアピールしている。

■TEAD、しっかり散布

TEADの農薬散布用ドローン「DAX04」

TEADの農薬散布用ドローン「DAX04」

日本企業のTEADは2016年7月に農薬散布用ドローン「DAX04」を発売した。農薬の空中散布を管轄する農林水産航空協会から農薬散布ができるドローンとして国内で初めて認定を受けた機体の1つ。価格は税別255万円で、これまでに約100機を販売した。

「農薬が作物にしっかり届くように工夫した」と管理部の古屋誠一氏は話す。機体をあえて重くするとともに、プロペラの数を4つと少なくした。重い機体を少ないプロペラで飛ばすにはプロペラを勢いよく回さなければならない。下方向の風が強くなり作物の下まで農薬が届く効果がある。さらに作物が風で左右に動くことで、「葉の表裏に農薬がまんべんなく付着する」(古屋氏)。

ドローンの扱いに不慣れな農家向けに丈夫で扱いやすくしたのも特長だ。想定外の扱いをされる可能性があるため、プロペラを支える炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のアームを通常よりも太くした。農家の要望を取り入れて「プロポ」と呼ばれる操縦機を動かした際のドローンの反応をやや遅くしたり、軍手を装着したままで電池を取り換えられる構造にしたりした。

TEADは食品雑貨の企画・販売を手掛けるヨコヤマ・コーポレーションが始めたドローン事業を引き継いで16年4月に誕生した。アフターサービスを重視しており従業員が全国各地を飛び回る。

■DJI、運搬しやすく

DJIの農薬散布用ドローン「MG-1」

DJIの農薬散布用ドローン「MG-1」

ドローン世界最大手の中国DJIは農薬散布用ドローン「MG-1」の日本での販売を1日に始めた。中国や韓国で販売実績がある機体を日本向けに改良して、16年10月に農林水産航空協会の認定を取得している。価格は180万円前後になる。

「安定した飛行ができることが最大の特長だ」とDJIジャパンの呉韜代表取締役は胸を張る。電波を使ったレーダーを前後と下部の合計3個搭載しており、地形を詳細に確認しながら作物と一定の距離を保って飛行する。8枚のプロペラを備えており、2枚が壊れても飛行状態を維持できるという。

小型トラックなどでの運搬を容易にするため、プロペラを支えるアームを折り畳める構造にした。利用時の大きさ1471ミリメートル×1471ミリ×482ミリに対して、折り畳み時は780ミリメートル×780ミリ×482ミリまで小さくなる。

操縦機には強い日光の下での視認性を確保するために高輝度ディスプレーを採用した。このほか初年度無償の賠償責任保険を利用できる。対人の場合は最大1億円、対物では最大5000万円が支払われる。農薬による被害にも対応するという。

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