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未来面「世界を変えよう。 」

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 日本経済新聞社は、読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」をスタートしました。今期のテーマは「世界を変えよう。」 革新的なアイデアをお寄せください。企業のトップが選んだ優れたアイデアは新聞紙面や日経電子版で紹介します。アイデアの投稿はこちらから。
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快適な長寿と健康な社会へ何が必要ですか
越智仁・三菱ケミカルホールディングス代表執行役社長 経営者編第1回(3月27日)

2017/3/27 2:00
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我が社は「THE KAITEKI COMPANY」を標榜しています。これは人と社会と地球、すべてにとっての快適の実現を通じて、健やかな持続的成長ができる会社という意味を込めています。

日本は高齢化社会を迎え、平均寿命は男性80歳、女性86歳と世界のトップクラスです。一方で医療や介護に依存せず自立した生活ができる「健康寿命」をみると、男女とも平均寿命から10歳程度、低くなります。このギャップを埋めて、単に長く生きるだけではなく、快適で健康な長寿社会を実現することが、これからの大きな課題です。

そのためにできることは何か。情報技術の進歩はめざましく、デジタル化の大きな波が私たちの生活を助けてくれます。人工知能(AI)やビッグデータなどを活用し、快適な長寿人生を実現できる方法がどんどん目の前に現れてきました。

例えば、我が社でも自分の健康管理のための血液検査サービスをドラッグストアの店頭で簡単に利用できるようなビジネスを展開しています。これからはコンビニや駅などで気軽に、様々な健康維持のための検査ができる時代になるでしょう。睡眠をデジタル化して分析し、健康状態を把握したり、声だけで今の体調を管理したり、健康寿命を延ばすための新しい技術は、ますます広がるでしょう。歩数計はすでに個人の健康データを効率よく収集、解析する有効なツールになりつつあります。

快適な長寿生活を実現するために、会社を定年退職してから始めるのでは遅いのです。毎日の積み重ねが、快適な長寿生活につながる。そんな仕組みを企業が社員のために考える時代ですし、国全体でも考える時代です。今話題の働き方改革も、社員が肉体的にも精神的にも継続的に健康であることが大前提であるのは、言うまでもありません。

こうして健康で快適な長寿社会が実現できれば、それは将来、高齢化が進む中国や欧米などで活用できる立派なビジネスモデルになるでしょう。高齢化先進国、課題先進国の日本だからこそ、この問題を克服しなければならない。解決のための具体的なアプリケーションを、デジタル化の助けを借りて実現したい。それが我が社のこれからの大きな使命だと思っています。健康で快適に長生きすること、それは私たち一人ひとりが意識を変え、企業や国がバックアップすることで必ず実現できます。快適な長寿と健康な社会を作るために何が必要か、皆さんのアイデアをお聞かせください。

越智仁・三菱ケミカルホールディングス代表執行役社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから

■編集委員から  「週に2回、30分以上運動してますか」「いえ、まったく」。三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長によると筆者のように運動から遠ざかっている人は二十数%に達するそうです。越智社長は週2回、4キロ走り、週3回、丸の内の地下街を1万歩、歩いています。見た目もエネルギッシュで健康そのものです。

高度経済成長期の日本の会社は、職場対抗の運動会など運動する社内行事が多くありました。職場でのラジオ体操もよく見る光景でした。今はこうした機会が少なくなり、IT(情報技術)の進化もあってデスクでの座り仕事が増えました。三菱ケミカルでは「健康体操」という肩こりや腰痛を防止するための運動を取り入れており、社員にも好評だそうです。

社員が健康で働き続けることができる会社は、生産性も高く、持続的な成長が可能というのが、越智社長の基本理念です。それは日本全体にも当てはまるでしょう。

(編集委員 鈴木亮)

◇   ◇

未来面は、日本経済新聞社が読者や企業トップの皆さんと課題を議論し、ともに作っていく紙面です。今回の課題は「快適な長寿と健康な社会へ何が必要ですか」。皆さんからの投稿を募集します。4月11日(火)正午が締め切りです。優れたアイデアを経営者が選んで、次号4月24日付の未来面や日経電子版の未来面サイトで紹介します。

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