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EV+FCV 仏ベンチャーが商用車開発

フランスの燃料電池ベンチャー、シンビオ・エフセル(本社パリ)は電気自動車(EV)に水素燃料電池を組み合わせた車両を開発した。日産自動車の商用EVに自社開発の燃料電池ユニットを組み込み、航続距離を従来の2倍以上にあたる500キロメートル程度まで伸ばした。まず欧州のタクシー会社向けに販売を始め、日本でも物流会社などの需要を探る。

シンビオは仏タイヤ大手のミシュランなどが出資する燃料電池ベンチャー。2015年から仏ルノーのEVに燃料電池を搭載した車両を販売しており、フランス郵政公社や独物流大手のDHLなどが採用している。

新たに日産の商用EV「e-NV200」に自社開発の燃料電池ユニットを組み込んだ車両を開発した。EVとしての航続距離は190キロメートルだが、燃料電池を追加することでフル充電・フル充填後に500キロメートル程度まで走行が可能になるという。

価格は未定だが1台5万5000ユーロ(約660万円)程度になる見込み。日本で販売するベースのEVより7割ほど高くなる。

同社はタクシーとして使用した場合、ガソリン車やディーゼル車との車両価格の差額を45カ月程度で回収できると試算する。ファビオ・フェラーリ最高経営責任者(CEO)は「タクシー業界は温暖化ガスの排出削減の需要が大きい。燃料電池を併用することで長距離移動時の電力切れを解消できる」と話す。

e-NV200は側面ドアが自動開閉ではないため日本ではタクシーとして利用できないが、スペインとオランダではタクシーに採用されている。シンビオ社は物流会社などの需要があれば日本での販売も視野に入れる。

富士経済はEVの世界市場は2035年に15年比約17倍の年567万台に拡大すると予測する。世界的な排ガス規制の強化で電動車の需要は高まりつつあるが、航続距離が短いことが普及の課題だ。新しい動力源を組み合わせる次世代のハイブリッド車のアイデアが広がれば、商業用を中心に潜在需要を掘り起こす道が広がる。

次世代のエコカーを巡っては、EVを主軸に据える日産と、燃料電池車(FCV)を本命視するトヨタ自動車ホンダで戦略が分かれていた。だが、トヨタとホンダがEVの開発に力を入れ始め、この分野での競合が避けられない見通しだ。日産はFCVの自社開発に消極的だが、シンビオ社のような外部企業の存在が思わぬ追い風になる可能性もある。

(企業報道部 中山修志)

[日経産業新聞2017年3月17日付]

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