/

阪神の熱き開幕ローテ争い 5番手は若手?ベテラン?

阪神がオープン戦で5勝1敗1分け(13日現在)と好調を続けている。安定した戦いぶりを支えているのが、開幕ローテーション入りを巡って激しい争いを繰り広げる先発投手陣。就任2年目を迎えた金本知憲監督は今季も若手野手を積極的に登用する姿勢を打ち出しているが、シーズンに入ってからの攻撃力には未知数の部分がある。それだけに、先発4本柱に厚みを加える存在の台頭が欠かせない。

青柳は投球動作を修正、ロッテ戦で好投し先発ローテ入りをアピール=共同

2年目、青柳が先発陣入り猛アピール

現時点で、開幕ローテ入りを確実にしているのは、3年連続の開幕投手を務めることが濃厚なメッセンジャー、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表に選ばれた藤浪晋太郎、37歳のベテラン能見篤史、3年目の昨季に初の2桁勝利をマークした左腕の岩貞祐太の4人。オープン戦では、先発5、6番手の座を争うライバルがそろって好投した。

9日のロッテ戦(甲子園)では、2年目の23歳、青柳晃洋が4回無安打無失点の好投で、開幕ローテ入りを猛アピールした。横手と下手の中間あたりから140キロ超の速球を投げ込む変速右腕は、制球難から球数が多くなる傾向があるのが短所。この日はバッターボックスの内側ぎりぎりに立つ角中勝也にこそ2四球を与えたが、テンポ良くゴロを打たせて49球で投げきり「相手が早打ちだったのもあるが、(ストライク)ゾーンで勝負できた。僕の課題だったので、それが一番の収穫」と充実感を漂わせた。

前回登板だった4日のWBC強化試合、オーストラリア代表戦(京セラドーム大阪)では「ファウルになっていた」という直球で空振りも奪い「真っすぐが前回と比べても良くなっている。このままいけばもっと上がってくると思う」と青柳。習得中のカーブにも「カウントを稼ぐ球として有効だった。シーズンを通して使っていける球にしたい」と手応えを得た。

開幕ローテ入りを確実にしているのは日本代表の藤浪ら4人だけ=共同

投球動作の課題を克服、投球術に磨き

ただ、それ以上に自信を深める要素となったのは、キャンプから磨いてきた投球術が効力を発揮したことだろう。

ルーキーだった昨季は、プロ初登板初勝利を挙げた6月1日の楽天戦で5回を投げて4盗塁を許すなど、大きすぎる投球モーションが課題だった。今春の宜野座キャンプ(沖縄)では、セットポジションからのクイック投法を重点的に練習。9日のロッテ戦では、投球動作の始動から捕手到達まで1.2秒台ならば及第点とされる中で、1秒を切る高速クイック投法を披露した。

本来は一塁走者に容易にスタートを切らせないための投法だが、この日は無走者の場面でも時折、打者のタイミングをずらすためにクイックを交えた。「監督が(先発ローテを)『争ってるぞ』といっていた投手たちがいい投球をしている。意識しないと言えばウソになる」と青柳。

ベテランの岩田はゴロを打たせて勝負するタイプだと自分を再認識=共同

33歳の岩田は背水の陣の覚悟

「ボールの緩急だけでなく、フォームの緩急もつけるように」とのアドバイスを香田勲男投手コーチから受け、実戦で実行した。そんな伸び盛りの右腕を、金本監督は「自分なりに工夫して打者を迷わそうとしている。今のうちにいろんな攻め方を試せばいい。今日の投球を見ると、ローテーションに入れたくなってくる」と高く評価した。

不振に陥った昨季、わずか登板6試合で0勝に終わった33歳の左腕、岩田稔は先発ローテ復帰をかけて背水の陣の覚悟だ。春季キャンプのブルペンで若手以上の数を投げ込んだ12年目は、7日のヤクルト戦(甲子園)で5回3安打1失点。三回無死満塁を1失点でしのぐなど、老練さと粘りが光った。

若々しく投げ込んだキャンプ序盤には「強くてきれいな球を投げる」という意識もあったそうだが、実戦期間に入り「それでは打たれる」と自らの持ち味について、もう一度考え直したという。小さく動く速球系のカットボールやツーシームを武器とする左腕は「自分はきれいな真っすぐで勝負するタイプじゃなく、汚いボールを低めに投げ、ゴロを打たせて勝負するタイプの投手」と再認識。ストレート自体も微妙に動くのがこの人の持ち味で、バットの芯を外し、打者に気持ちよく振らせない「らしさ」をオープン戦では発揮した。

8年目の秋山も初の開幕ローテ入りを狙う=共同

直球のキレ磨き、ローテ入り狙う秋山

昨年9月に4年ぶり白星を挙げた25歳の秋山拓巳は、プロ8年目で自身初の開幕ローテ入りをつかもうとしている。指に引っかかったキレのある直球を磨いてきた成果もあり、オープン戦2試合で9回3安打、9奪三振で防御率0.00の快投。毎年期待されながらチャンスを逃し続けてきた右腕だが、勝負をかける今季はひと味違う一面を見せている。

北條史也、中谷将大ら期待の若手野手がレギュラーとして巣立ってほしいと、積極的に起用する金本監督。ただ、実戦経験が乏しいだけに公式戦でどれだけの打棒を発揮できるのか、不安も大きいのが現状だ。若トラを育てながら勝つという監督の方針に安心感を与え、チームをペナントレース序盤から波に乗せるためにも、盤石の先発投手陣を築きたい。

(常広文太)

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン