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面接官はAI T&A、「ペッパー」活用

採用コンサルティングのタレントアンドアセスメント(T&A、東京・港、山崎俊明代表取締役)はIT(情報技術)と人事関連業務を融合させた「HRテック」に参入する。企業向けに、人工知能(AI)が採用面接を担うサービスを始める。企業の負担減につながる上、採用希望者も24時間、場所を選ばず同一の評価基準で面接が受けられるようになる。

採用希望者との対話から、AIが相手の理解力や感受性など複数項目を評価するサービス「AI面接官(仮称)」を5月上旬から提供する。各顧客企業が重視する評価項目を事前に聞き取った上でAIが人物像を割り出す。企業が求める人材に合致する性格の人物を企業が見つけやすくする。

まずソフトバンクグループのヒト型ロボット「ペッパー」にAI面接官を取り入れ、東京や大阪、札幌、福岡など主要都市に複数台配置し、面接拠点を開設する計画を進めている。採用希望者は企業の本社が集中する東京以外で、好きなときに「1次面接」が受けられるようになる。

同社によると、適性・能力検査「SPI」のような従来の性格診断テストは必要なくなるという。その後はスマートフォン(スマホ)アプリでも利用できるようにする。

AIは2段階で使われる。まずは対話するAI。ペッパーやスマホの前に座ると、AIがカメラの映像から身なりや服装の乱れ、視線を分析する。そして「苦労したことは何?」「なぜ?」「どう乗り越えた?」「結果は?」といった質問を投げ、採用希望者と会話する。過去の経験談を引き出し、「状況」「課題」「行動」「結果」に分類する。

次に評価するAI。やりとりは瞬時にテキスト化し、T&Aのデータベースに送る。分類をもとに、「自主独立性」「責任感」「感受性」など性格を11項目に分けて点数評価する。AIには同社が蓄えた3000人分の過去の分析結果を読み込ませており、行動心理学とかけ合わせて判定する。早ければ数時間で結果が出る。

同社はこれまでウシオ電機など上場企業を中心に約30社の採用コンサルティングを手がけている。独自に構築した人物評価のノウハウをもとに、顧客企業の面接担当者の教育などを支援してきた。このノウハウをAIに取り入れた。

2016年4月に、米IBMのAI技術を使う学習型コンピューター「ワトソン」を使ってAI面接官の開発を始めた。山崎代表は開発に踏み切った理由を「面接官の違いによる評価のムラをなくし、客観的に資質を分析できるようにしたかった」と話す。

すでに多数の面接業務が必要になる派遣会社など、4社が採用する見込みだという。一部企業は来春入社する新卒の採用からの導入も検討する。T&Aは2019年度までに20社への採用と、13億円の売り上げを目指すとしている。

[日経産業新聞 2017年3月13日付]

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