2019年2月18日(月)

米医薬、実売価格は4割引き

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2017/3/9 6:30
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製薬大手が、米国で医薬品を定価の約4割引きで販売していることを開示し始めた。背景にはトランプ米大統領が、米国での薬価高騰と製薬大手の薬価戦略に批判を強めていることがある。情報公開が広がれば、米国で医薬品を販売する日本の製薬大手も対応を求められる可能性がある。さらに海外の薬価を反映する、日本の薬価制度のあり方にも議論が及びそうだ。

米国ではメーカーが決める薬の定価にあたる「WAC」に対し、大幅な値引き販売が当たり前になっている。ただどれだけ値引きして販売しているかをメーカーが開示することはまれで、全社的な平均割引率の開示は今回が初めてとなる。

2月末に米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の製薬部門が2016年に、定価から平均35%引きで薬を販売していることを開示した。

毎年公開している「透明性リポート」で開示した。リポートによると同社は16年に、医薬品全体の定価を平均8.5%値上げした。値引き後の実売価格でも、平均3.5%の値上げとなった。

J&Jは取材に対し、公開した理由を「薬の価格設定に関して、透明性の向上を求める声が高まっているため、対応すべきだと判断した」と説明した。

米メルクも1月、こうした情報を初めて開示。定価からの平均値引き率は41%に及ぶことを明らかにした。定価は平均9.6%、値引き後の実売価格は同5.5%それぞれ値上げしていた。

こうした動きは、トランプ米大統領の発言を受けて顕著になった。

トランプ氏は就任前から、米国の薬の価格が高すぎるとして製薬企業を批判してきた。1月の就任前演説では「新しい薬価決定の仕組みが必要」と語ったほか、同月末にはメルクやJ&Jなど製薬大手の首脳を呼び、薬価引き下げを求めた経緯がある。

米国では製薬企業が薬の定価を自由に決めることができ、実際に薬の価格の高騰が問題になっている。

例えばアレルギー患者がショック時に使う治療薬「エピペン」。後発品大手のマイラン製薬によって、9年前の5倍以上に値上げされ、米議会でも問題視された。

製薬大手による価格情報の開示は、こうした批判をかわす狙いがあるともみられている。

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