完全個室やキッチン付き 三菱ふそうがバス

2017/3/8 6:30
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三菱ふそうトラック・バスは特別な内装を施した豪華バスの生産を本格的に始める。全室個室の夜行バスや調理設備を充実させたバスで、2017年生産分で既に7台を受注した。架装メーカーとの連携を深め、内装の特注設計への対応力を高めた。観光などで特別な体験を演出する「コト消費」の需要が高まっている。旅行会社などの潜在需要を掘り起こす。

「ドリームスリーパー」の個室座席には高級感を持たせた

「ドリームスリーパー」の個室座席には高級感を持たせた

バスの製造はグループ会社の三菱ふそうバス製造(富山市、菅野秀一社長)と、架装メーカーのエムビーエムサービス(同、松岡保行社長)が手掛ける。バス会社から完全個室型の夜行バスとレストランバスを17年生産分で計7台受注した。年間5台だった16年の生産を既に上回った。

関東バスから受注した夜行バスは全長12メートルの大型バスをベースに、内部を黒色の扉とパーテーションで仕切った。個室空間を楽しめる設計とした。座席は全11席。座席の高さやリクライニングなどを電動で調整できる。温水洗浄機能のついたトイレなども備える。

16年に生産したバスは関東バスと両備ホールディングス(岡山市、松田久社長)に納入。両社は今年1月に業界で初めて「ドリームスリーパー」の名称を付け東京―大阪間で共同運行を始めた。

レストランバスは三菱ふそうの2階建てバス「エアロキング」をベースに製造する。1階の大半にキッチン設備を設置。調理用の大型発電機なども設置した。2階部分は座席とテーブルを配置。屋根は透明な板材を使い開閉式にした。高速バス運営などを手掛けるウィラー(大阪市、村瀬茂高代表取締役)に同様のバスを16年に導入した。

三菱ふそうバス製造は隣接するエムビーエムに架装を委託している。エムビーエムは三菱ふそうの小型バス「ローザ」の架装も手掛けてきた実績がある。豪華バスの国内市場は小さく、これまで受注実績は少なかった。

今後は納入実績をテコにバス会社への受注活動を強める。三菱ふそう本体から技術者を受け入れ、きめ細かい注文にも対応して設計できる体制を整え、受注の上積みを狙う。

自動車工業会によると、夜行バスや観光バスに利用される大型バスの国内販売台数は、訪日観光客の増加もあり増加傾向だ。16年は6543台と11年比で2倍近くに増えた。

旅行会社やバス会社は、個性を生かしたバスの導入を急いでいる。車両価格は約1億円前後と通常の大型バスの価格を上回り、利幅も大きい。三菱ふそうは豪華バスを新たな収益源としたい考えだ。

(企業報道部 花井悠希)

[日経産業新聞2017年3月8日付]

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