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色気出して迷走したレスター、監督解任で原点回帰

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2017/3/8 6:30
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昨季、イングランド・プレミアリーグで奇跡の初優勝を飾り、センセーションを巻き起こしたレスターが今季は下位に沈んでいる。5連敗の後の先月23日、クラブはついにラニエリ監督を解任した。

そのとたんにチームは生き返り、リバプール、ハルを相手にともに3-1で連勝した。シェークスピア・コーチを昇格させ、暫定監督に就けてからは戦い方がはっきりした。

守備に基盤、優勝時の感覚共有

守備を基盤にする昨季の形に戻したという表現が正しいと思う。悪いときは各自がバラバラだったが、いまは優勝時の感覚を選手たちが共有できている。

それでは、なぜ昨季の王者が残留争いに巻き込まれるほど、おかしくなってしまったのか。

今季は欧州チャンピオンズリーグ(CL)に初出場し、試合日程が過密になった。それ以前に守備の要だったMFカンテがチェルシーに移籍した。しかし、低迷の原因はそれだけではないだろう。

ハードワークが持ち味のチームなのに、得点源のバーディー、マレズのマークをはがしてあげる周りの動きがなくなった。これでは相手がポイントを絞りやすい。マークを分散できず、集中するので2人はかなりナーバスになっていた。

バーディーはDFラインの裏でパスをもらい、スピードを生かして一気にゴールを襲うタイプ。一度、右のマレズにボールを預け、左で縦に走るバーディーに配球するというパターンができていた。

やることが単純だから、相手に研究されると苦しい。左に展開されないようなプレスのかけ方をして、出球を遅らせる。パスが思うように来ないから、バーディーが下がって受けるシーンが増えた。

マレズも同じで、引いて受けようとする。結果的にバーディーもマレズも後ろ向きでパスを受けることになる。ともに、斜め前を向いてパスを受けないと力を出せないタイプだ。攻めが硬直するのは当然だった。

「こんなサッカーでいいの」という勘違い

昨季24得点のバーディーは今季、まだ7得点(監督交代後のリバプール戦で2得点するまでは5点)、昨季17得点のマレズは4得点。

チーム全体の得点は昨季、全38試合でリーグ3位の68点だったが、今季は27試合でリーグ17位の30点に激減している。

チャンピオンになったことによる勘違いもあったと思う。大物選手がいるわけでもないのに、優勝して変なプライドができてしまったのではないか。

昨季は無我夢中で泥臭いサッカーに徹していたのに、堅守速攻という単純な戦術に疑問を持ち、「優勝チームがこんなサッカーでいいの?」と言い始めたのではないか。

もっとスマートに試合を進めたいという色気を出して、愚直さが薄くなった。その結果、戦い方の統一感がなくなった。

ラニエリ監督はおそらくアトレチコ・マドリード(スペイン)のシメオネ監督のような厳しい人ではないので、選手が勝手なことをしても試合から外したりしない。結果的に自由を与えてしまった。

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