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フェアウエーから確実にグリーンに乗せるショット術(下)

 パーオン率を上げるためには、フェアウエーの良いライから、ショートアイアンの距離のときに、確実にグリーンに乗せられるようになることが最初の一歩。それができなくては長い距離でグリーンをとらえることは難しい。傾斜のライやラフからではさらに難しくなる。その最初の一歩ができるようになるためのショット術を「ロジカルゴルフ」提唱者の尾林弘太郎プロに3回に分けて教えてもらう。今回は誌上レッスンの最終回になる。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ VOL.33」から)

次に尾林プロはピンから150ヤードのところにボールを置いた。尾林プロの7番アイアンの距離は145ヤードだという。つまり、ここもピン手前にオンできることになる。

尾林プロが言う。

「ここでは横のコントロールについて説明したいと思います。先ほどの9番アイアンでは縦のコントロールについて説明しました。つまり、トップやダフリをなくし、厚い当たりでしっかりと想定した距離を打つ。つまり距離感に注力しました。この7番アイアンのショットでは方向性に注力したいと思います。それにはまずアドレスのディレクションに気をつけること。目標に向けてしっかりとアドレスすることが肝心です」

これは9番アイアンでも一緒だと思うが、この7番アイアンで行う意味は何なのか。

「クラブが長くなると、ボールと体の距離が離れます。体の向きはボールと目標を結ぶ飛球線に平行になるスクエアにするわけですが、ボールと体の距離が離れると、目標よりも左を向くために、どうしても右に向きたくなります。ピンの方向に向くと安心できるからです。しかしこれでは打球は右に飛んでしまう。なので、目標よりも左を向いていて正しいと信じることです。目安としては5番アイアンならばグリーンの左エッジに向いていると感じて正しいくらいです。ドライバーであれば、最もボールとの距離が離れているので、左ラフに向いていると感じて、スクエアアドレスです。このことはボールと目標にシャフトなどを置いて確かめてみればわかります。ぜひやってみてください」

スタンスは飛球線に平行にしても、肩のラインはピンに向くことが多いので注意

7番アイアンを打つための注意点がさらに続く。

「グリーンまでの距離が長くなる場合、方向においてどういうミスが出やすいかを考えます。例えば、この状況はグリーンが左方向にあります。こういう場合、左に打とうという意識が働いて、グリーンに向かってスクエアにアドレスしているにもかかわらず、左に引っかけるミスが出やすい。逆に右にグリーンがあると、右にスライスしてしまうことが多いのです。こういったミスが出やすいことをわきまえて、自分が正しく目標に向かってアドレスしていることを信じていつものスイングを行うことです」

尾林プロが言う。

「さらに球筋を考えて、起きやすい方向のミスを防止する方法もあります。グリーンが左にあって左に引っかけやすいと感じた場合、フェードを打つわけです。こうすれば安心してグリーンをとらえることができます。また、右にグリーンがあれば、ドローをかけてスライスのミスをなくすというわけです。これは一例で、自分の持ち球などで起きやすいミスが違うでしょうから、それを事前にわきまえて、それが起きないような球筋で打つということです。これは上級者の方法のように思えるかもしれませんが、普段の練習からドローやフェードを打っておけばよいわけで、それほど難しいことではありません。自分を救う大事な技術になります」

また、グリーンまでの距離が長くなると、スイングの大事なポイントを忘れやすいと尾林プロ。

「グリーンが遠くにあると、目標が小さく狭く感じます。こうなると、その小さな目標に打つことばかりが気になって、スイングでの『すること意識』が低下します。つまり、深いトップをつくる、左足を踏み込む、『0ポイント』をつくるといったことを忘れてスイングしてしまうのです。その結果、トップやダフリといったミスを招いてしまう。9番アイアンでやったように、ボールの後ろでの素振りで、これらの『すべきこと』をしっかりと意識して行うこと。忘れずにやってほしいです」

こうして尾林プロが7番アイアンで打った。3球のうち2球がナイスオン。しかし1球はグリーンのカラーに外した。

「私の場合、このような良いライから、7番アイアンを持って10球のうち7~8球、オンすることができます。8番アイアンでも7、8球、オンする確率です。ただ、8番は7番アイアンよりもピンに近づける確率は高くなるでしょう。アマチュアの皆さんの場合、グリーンに乗る確率は10球のうち、7番アイアンで1球、8番アイアンならば2球で上出来だと思います。あとの9球や8球をグリーン周りまで運べれば素晴らしい。それができなくても次のショットでグリーンをとらえて、ここから4打以内であがれるようにしてください。そうすれば80台は簡単、70台も夢ではありません。そうなるように、まずは9番アイアンをしっかりと練習すること、そうして8番、7番アイアンにも自信をつけることです。そうすればゴルフがまったく変わります。ドライバーがいまいちでも良いスコアであがることができるのです」

最後に尾林プロが言った。

「アイアン上手になれば、実力の底上げができます。ベストスコアが出るだけでなく、ワーストスコアがあがります。もう決して100をたたくことはないでしょう。さらにゴルフが楽しくなりますよ」

ぜひともそうなりたいものだ。

(文:本條強 協力:越生ゴルフクラブ)

 尾林弘太郎(おばやし・こうたろう)1962年10月6日、東京都生まれ。170センチ、64キロ。16歳からゴルフを始め、22歳からレッスン活動スタート。ジャンボ尾崎や中嶋常幸ら多くのトッププロのコーチであった後藤修氏の生徒として経験を積み、教える立場と教わる立場、そして競技経験から多くのことを学んだ。延べ2万人を超えるレッスンからスコアアップの方程式「ロジカルゴルフ」を確立。プロ、トップアマ、ジュニア、初心者すべてのゴルファーを指導中。

書斎のゴルフ VOL.33 読めば読むほど上手くなる教養ゴルフ誌


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価格 : 1,404円 (税込み)

ロジカルゴルフ ショートゲームの思考術 (日経プレミアシリーズ)

著者 : 尾林 弘太郎
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