小さいボールに詰まったプロの厳しい評価と感性
ゴルフライター 嶋崎平人

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2017/3/9 6:30
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3月になり、いよいよ本格的なゴルフシーズンの到来となった。各メーカーも新商品を次々と発売している。クラブを含めたギアの価格は決して安いとはいえないが、気軽に試せるという意味で、私はゴルフボールが"熱い"と思っている。ゴルフショップの店頭はまさに花が咲いたような色とりどりのニューボールで飾られている。

アプローチショットを放つ松山。ボールへのこだわりは「澄んだ音」だ=共同

アプローチショットを放つ松山。ボールへのこだわりは「澄んだ音」だ=共同

人気のボールはプロ使用モデル

2016年のゴルフボールの年間店頭販売数量をみると、シェア1位はダンロップスポーツ(24.8%)。2位はブリヂストンスポーツ(21.8%)、3位はタイトリストブランドで知られるアクシネットジャパンインク(19.2%)である(矢野経済研究所ゴルフ用品小売店実売動向調査の「YPSゴルフデータ」による)。

日本ではこの上位3社が市場の7割近くのシェアを握っており、しのぎを削っている状態である。国内のゴルフボール市場規模は約150億円といわれている。そして、レジャー白書などで指摘されているように、ゴルフ人口が減少傾向にある中で、市場全体も縮小トレンドにある。もちろん、ゴルフボールの販売競争はより厳しくなってきている。

ボール売り場をのぞいてみると、各社ともプロゴルファーを起用したディスプレーが目につく。ポスターや店頭販促(POP)などを活用している。ゴルフボールにはいくつか種類があるが、その中で一番注目集まるのが、やはり現役プロが使っているものである。トーナメントでプロが活躍して使用球が話題になれば、一般ゴルフファーの興味は引き付けられる。クラブは簡単にとっかえひっかえができないが、ボールは1個500円程度。気楽に、プロと同じギアを使うことができる。

バーディーを決めるスコット。プロの評価がボールに生きている=共同

バーディーを決めるスコット。プロの評価がボールに生きている=共同

「澄んだ音」が松山のこだわりだった

トーナメントの厳しい場面で使うプロゴルファーにとっても、ボール性能の差は直接結果に結びついてくる。当然、その性能にこだわり、メーカー各社とも持てる技術力をつぎ込んで、新ボールを開発する。

シェアが1位のダンロップスポーツの顔は日本男子史上最高タイの世界ランキング4位となった松山英樹である(3月5日現在)。この松山が昨年のマスターズの前から使い続けているボールが2月から発売された。昨年12月に松山自身が出席してこのボールの記者発表が行われた。

松山が開発に協力してこだわったのは音であり、球を打った時の「澄んだ音」を要望したという。飛んで止まるのは当たり前で、自分の感性に合う打感を追求したものだった。プロの感性を商品に落とし込むのは開発陣の仕事である。それを練り上げるにあたって、同社の開発陣は、松山の評価能力のすごさを語っていた。微妙な仕様の違いのボールを一度試打し、期間をあけて再評価しても全くブレがないとのことであった。世界トップクラスにいつづける、松山ならでは感性である。

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