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チームの浮沈を左右する「後ろ」の人たち
スポーツライター 浜田昭八

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2017/2/19 6:30
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中日、大洋(現DeNA)、日本ハムで監督を務めた故近藤貞雄さんは、投手分業制を強力に推進したことで知られている。「長いイニングを投げると平凡でも、投球数、回数を限ると見違えるように力を出す投手がいる」と言った。中日の投手コーチだったとき、星野仙一、鈴木孝政、牛島和彦らを救援専門投手に仕立てて成果を上げた。

投げ込む日本ハム・宮西。今季もセットアッパーとして活躍が見込まれる=共同

投げ込む日本ハム・宮西。今季もセットアッパーとして活躍が見込まれる=共同

それまでにも、V9巨人の"8時半の男"宮田征典が救援専門投手として大活躍した例はあった。しかし、近藤監督は先発組と救援組を分けるだけでなく、救援の役割を細分化するまでに徹底した。

先発投手を5~6イニング、100球程度で交代させると、あとは中継ぎ、八回に投げるセットアッパー、最終回のクローザーの登場である。中継ぎはイニングをまたいで投げることがあるが、勝ちゲームを締めくくる最後の2人は、原則として1イニング限定の登場だ。中継ぎ組が投げる中盤には、ワンポイントなどショートリリーフ組も投入する。試合時間が長くなる弊害はあるが、これら救援組を次々と繰り出す継投合戦が試合終盤を盛り上げる。

中継ぎ、抑え投手の質こそカギ

12球団を見渡すと、球界関係者が"後ろ"と表現する救援陣が充実したチームが覇権を握る確率が高い。日本ハムは抑えマーティン、セットアッパー宮西、中継ぎ増井、谷元の踏ん張りで、リードした試合を着実にモノにした。広島も中崎、ジャクソン、今村と、先発を兼ねたヘーゲンズが、野村、黒田ら先発組の好投をムダにしなかった。

逆に昨季の巨人は鉄腕と呼ばれるほどタフだった中継ぎ山口鉄の低迷で、継投プランを何度か狂わせた。最下位になった中日、オリックスは先発陣もよくなかったが、それにも増して後ろが壊滅的状態だった。中日は抑えの切り札岩瀬が不振から抜け出せず、代役に当て込んだ福谷も振るわなかった。オリックスは12球団随一の救援陣を誇ったシーズンもあったが、昨季は佐藤達、比嘉の故障で、まともな継投ができなかった。

終盤にさしかかった今年のキャンプ。ほとんどのチームが投手陣を重点強化ポイントにして鍛えてきた。その成果はどこまで上がっているだろうか。先発の頭数がそろっても、後ろの質が悪いとチーム力は上がらない。

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