2019年5月26日(日)

英BAT、加熱式たばこ年内に全国展開

2017/2/17 6:30
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英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は、加熱式たばこ「グロー」を全国展開する。現在は世界でも仙台市だけで販売しているが、まず2017年中に全国展開する。国内の供給体制を整えた後に、海外でも19年までに売り出す考えだ。海外では加熱式はほとんど流通していない。BATは加熱式市場を開拓し収益を拡大する。

BATは加熱式たばこ「グロー」を国内外で展開する方針だ

BATは加熱式たばこ「グロー」を国内外で展開する方針だ

BAT本社(ロンドン)の次世代製品担当役員で、「グロー」の開発を指揮したキングズリー・ウィートン氏が日本経済新聞の取材に応じ、今後の事業展開を明らかにした。

国内では16年12月から、仙台市内の直営店とコンビニエンスストア約600店舗で、グローを試験販売している。直営店では一日200個の限定販売だが、整理券を配り始める午前7時には200人以上が並んでいるという盛況ぶりだ。

試験販売で需要や顧客ニーズなどのデータを蓄積し、17年中に全国展開する方針だ。大都市には直営店を開設し、地方はコンビニやたばこ店などで販売するもようだ。

国内では加熱式の人気が急上昇している。米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)のアイコスは昨年9月に機器販売が200万本を突破。日本たばこ産業(JT)も約500億円を投じ、福岡市限定販売の「プルーム・テック」を全国展開する計画だ。

BATは加熱式の供給体制を整えたうえで、「1~2年後をめどに日本国外でも販売する」(ウィートン氏)考えだ。

具体的な販売地域は検討中だが、本体価格が8千円と紙巻きたばこに比べて高額なため、ヨーロッパなどの先進国が有力とみられる。葉タバコを加工したスティックは1箱(20本)420円。

国内では医薬品医療機器等法(旧薬事法)で規制されているが、海外ではニコチンを含む溶液を加熱して蒸気を吸う「電子たばこ」が主流だ。

国内の加熱式市場で先行するPMIは、「アイコス」をスイスやイタリアなど15カ国ほどで販売しているが、売上高のほとんどは日本だという。

BATは英国やフランスなど多くの電子たばこ市場でシェア首位で、次世代製品の販売ノウハウがある。電子たばこだけではなく、加熱式市場でもトップを目指す。

■海外でも2年後発売~ウィートン氏に聞く

2016年12月に仙台市限定で加熱式たばこ「グロー」を発売し、加熱式市場に参入した英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)。加熱式市場は米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が先行し、日本たばこ産業(JT)も約500億円を投じて増産する。グローに勝機はあるのか。今後の展望を次世代製品担当役員のキングズリー・ウィートン氏に聞いた。

――なぜ世界で初めてグローを発売する市場に日本を選んだのですか

「2019年をめどにグローを海外展開する」と語るウィートン氏

「2019年をめどにグローを海外展開する」と語るウィートン氏

「日本の消費者はイノベーティブな製品に寛容だが、製品の品質には厳しい。日本の顧客に支持されれば、世界のどこで販売しても大丈夫だと自信がつく」

「規制により日本で電子たばこを販売できないこともあるが、加熱式市場は世界でも日本がナンバーワンだと認識している」

――グローの海外展開の展望は

「供給体制を整え1~2年後をめどに日本以外でも販売する。販売地域は未定だが、紙巻きと違って初期費用がかさむため、ある程度経済発展した国が候補になる。ヨーロッパや東欧に加え、韓国やロシアなどだ」

「次世代製品やBAT製品がどのくらいのシェアを獲得しているのかも考える必要があるし、たばこ税の扱いも考慮する」

――BATは英国やフランスなどの電子たばこ市場でトップだが、加熱式でトップを取る戦略は

「加熱式市場でも世界のリーダーになりたい。だが、シェアや売上高といった単純な指標では測れない。グローのデザインはシンプルで美しく、35本連続で吸引できるなど性能面でも優れている。自信を持って革新的な製品と断言できる。様々な面でリーダーになれると確信している」

――グローの改善点はありますか

「現時点ではない。BATは次世代たばこの開発に、過去5年で10億ドル以上を投資した。デザインや性能などすべての面で最高の製品だと考えている」

「もちろん今後、グロー2や違うタイプの加熱式を開発することがあるかも知れないが、改善点は実際に使ったお客の声を聞かないと分からない。そのくらいグローには自信がある」

――紙巻き市場は縮小傾向にあるが、グローとの売上比率はどうなりますか

「それはお客が決めることだ。PMIは『すべての紙巻きをアイコスに置き換える』としているが、BATはお客が選択した製品を販売する。もしお客が加熱式だけを求めるならグローだけを製造するが、どうなるかは分からない」

――日本ではいつグローを全国展開しますか

「2017年中を目指したい。まずは仙台市でどのくらいの需要があるかや、製品への要望などのデータを蓄積する。次の進出地域は未定だが、18年1月時点で全国展開を完了していたい。直営店は必要だが、47都道府県すべてに置くのではなく、コンビニやたばこ店などでの販売が中心になるだろう」

(聞き手は企業報道部 宇都宮想)

[日経産業新聞 2月17日付]

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