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「消える魔球」に迫る 優れたアスリートの能力とは
NTT、脳とスポーツの関連を研究

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2017/2/18 6:30
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NTTが脳の働きとスポーツの関係の解明に乗り出した。具体的な脳の情報処理が、どう選手のパフォーマンスに影響しているかを調べるとともに、将来はトレーニング方法への活用を目指す新分野の研究を開始。膨大なデータ収集が必要でプロジェクトは緒についたばかりだが、成就すればスポーツ界に大きな変革を起こす可能性も秘める。

NTTは脳の働きとスポーツの関係の解明に乗り出した。まずは野球、ソフトボールに焦点を当てる

NTTは脳の働きとスポーツの関係の解明に乗り出した。まずは野球、ソフトボールに焦点を当てる

分野横断で脳の潜在的な情報処理を研究

2月3日、NTTの「厚木開発研究センタ」(神奈川県厚木市)に乾いた捕球音が響いた。研究の舞台の一つとなる特設ブルペンでの投手と打者との"真剣勝負"。投打の動きはセンサーで同時に測られ、事前に球種を知らされているケースと、知らされていないケースで直球と変化球を投げ分け、投球モーションのどの時点で打撃フォームに変化が表れるかといったデータ収集が進む。

NTTは1月に脳科学、生体情報測定、ICT(情報通信技術)など分野横断の「スポーツ脳科学プロジェクト」を発足させた。まず「投手」対「打者」のように、相互作用がはっきりしていて、瞬間的な動作が生まれる野球・ソフトボールに焦点を当て、東大と慶大の両野球部から被験者として協力を得る。

「スポーツはもっぱら運動生理学や運動力学で語られがちだったが、優れたアスリートは潜在的な脳の情報処理や、それを動きに結びつけるのに秀でている人が多いのでは」というのが研究チームの想定。打者は投手の手元から球が離れ、ミットに届く0.5秒程度の間に、ボールの軌道を見極め、振るかどうかを意思決定し、球に合わせたスイング軌道を作り出す。

心拍数、筋肉や眼球の微細な動きを計測

一方で、通常は球の軌道を知覚するのは0.5秒以上かかる。「『ボールがこう曲がってきて、じっくり見極めて打ちました』と言っても、それは後付けの話。無自覚での動きなので、本人に聞いても本当のところはわからない」とプロジェクトマネージャの柏野牧夫上席特別研究員。単なるスイングスピードでは片付けられない、瞬間的で複雑な脳の情報処理の仕組みを理論的に解明しようというものだ。

実験の場は多岐にわたる。実験室での基礎研究に加え、心拍数や筋肉の活動、眼球の微細な動きなどを測る特設ブルペンや実戦での実験。ここでは同社が東レと共同開発した、生体情報を測定できる機能素材「hitoe(ヒトエ)」が重要な役割を果たす。

線の伸びた金属装置を体に貼り付けなくても、身につけるだけでセンサーによって測定が可能で、装置に邪魔されずに普段と同じ動きを再現できる。仮想現実(VR)も利用し、死球を受けた後の打者の打撃の変化など、現実には生み出しにくい状況を作り出して調べることも可能にした。

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