2018年10月17日(水)

[FT]過剰な役員報酬、反発強める機関投資家

FT
2017/2/14 14:00
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Financial Times

株主として世界で最も影響力のある機関投資家数社が今年、企業の過剰な役員報酬に対してさらに厳しい行動を取る構えだ。昨年は役員報酬に対する投資家の抗議が5年ぶりの高水準に達した。

フィデリティ・インターナショナル、アバディーン・アセット・マネジメント、米カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)、スタンダード・ライフ、ヘンダーソン・グローバル・インベスターズなどの機関投資家がフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、今年は過剰な報酬の削減と透明性の向上を求め、取締役会へ圧力を強める方針であることを明らかにしている。

企業経営陣と大株主の間の摩擦は2016年の特徴だったが、投資家の新たな抗議の波がそこに加わることになる。FTの委託で調査会社マニフェストがまとめたデータによると、昨年は米S&P500社のうち62社、英FTSE100社のうち18社で株主の1~2割が役員報酬案に対する支持を拒んだ。役員報酬に関する株主の反対としては少なくとも5年ぶりの高水準だった。

株主の半数以上が役員報酬案の支持を拒む全面的な反乱は米国の大企業7社と英国の大企業3社で起こり、12年以降の最多を記録した。

株主の怒りを買った企業には英石油大手BP、英広告大手WPP、英日用品レキットベンキーザー、英資源大手アングロ・アメリカン、米IT(情報技術)大手オラクルが含まれ、投資家側は争いはまだ続くと警告している。

役員報酬に関する議決権行使で屈指の攻撃的な実績を持つフィデリティのドミニク・ロッシ最高投資責任者(CIO)は、こう語る。「資産運用業界がこの問題について、企業にもっと圧力をかける必要があるという見方を強めているのは間違いないと思う。我々は、それを責任として捉えている」

2840億ドルの資産を管理するフィデリティは今年から、報酬案が2年連続で受け入れ不可と見なされた場合には、報酬委員会の委員長に反対票を突きつける考えだ。

米国最大の公的年金基金カルパースとFTSE250に名を連ねる資産運用会社ヘンダーソンは今年、適正な報酬水準を評価するうえで「クオンタム」(上級役員の報酬総額)をこれまでよりも重視する。

上場資産運用会社として欧州3位のアバディーンは、役員報酬の増額に対してより厳しい姿勢を取りつつあり、米国の報酬水準に厳しい目を向ける方針だ。

スタンダード・ライフで投資先企業の経営監視などにあたる責任者のユアン・スターリング氏によると、同社は役員報酬に対する「より厳しい」投票指針を作成したという。「砂の中に頭をうずめでもしないかぎり、役員報酬を取り巻く空気は感じ取れる」と同氏は言う。

By Madison Marriage

(2017年2月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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