フリックケア・日進精、金型異常、音で検知

2017/2/14 6:30
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介護IT(情報技術)サービスのフリックケア(東京・台東、工藤純平社長)と精密金属プレス大手の日進精機(東京・大田、伊藤敬生社長)は、金型の異常をプレス音の響きから検出する遠隔監視サービスを始める。金属プレス機に音センサーを取り付け、クラウド上の過去データと比較する仕組み。低コストでベテラン職人の「耳」を再現できる。サービス収入を拡大したい中小金型メーカーなどに売り込む。

金属プレス機に音センサー(左下)を取り付けて常時クラウドに音を蓄積、異音を聞き分ける(実験の様子)

金属プレス機に音センサー(左下)を取り付けて常時クラウドに音を蓄積、異音を聞き分ける(実験の様子)

「フリックケア金型みまもりサービス」の名称で展開する。日進精機が保有する金属プレス機の音データと、フリックケアの介護見守り向けクラウドを組み合わせた。

フリックケアが開発した音センサーを金属プレス機に設置すると、センサーが常時プレス音をクラウド上に蓄積。過去のプレス音と比較した異音を検知し、最短1分で担当者にメールで通知する。摩耗などで生じる音の変化から異常の発生時期を予測することもできる。事前に設定した値から異常を判断するのではなく、蓄積データとの違いを読み解く手法とすることで精度が高まり、誤報を減らしたという。

金型の異常にいち早く気付くことで、バリの発生などの成形不良を最小限にとどめられる。また異常の発生時期が予測できればメンテナンス効率の向上にもつながる。

これまでもカメラや圧力センサーなどを工作機械や金型に設置して異常を検知する取り組みはあったが、センサーなどの設備が高額になるうえ微小な刃先摩耗などを検知するのは難しく、中小企業の多い金型メーカーには導入しづらかった。

フリックケアはセンサーを無償で貸し出し、月額5千円からの課金制にすることで、予算の少ない中小企業でも導入しやすくした。クラウドとの通信のため工場内に無線LAN(構内情報通信網)環境が必要。14日からサービスを開始する。

金型業界では納品した金型のメンテナンスなどのサービス分野で継続的に収益を上げようとする取り組みが広がっており、低コストを武器にサービスの普及を目指す。

フリックケアの工藤社長は、国内最大級のものづくり受発注サイトを運営するNCネットワーク(東京・台東、内原康雄社長)の創業メンバーの一人。昨年1月から実証実験に取り組み、金属プレス音のデータを蓄積してきた。今後は樹脂成形金型での活用も目指す考えだ。

(企業報道部 千住貞保)

[日経産業新聞 2月14日付]

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