2018年10月23日(火)

[FT]抗議のメキシコ市民、米側への入境拒否の波紋

FT
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2017/2/10 14:50
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抗議活動が加速し始めるに伴い、メキシコのペニャニエト政権が団結や結束を呼びかけない日はなくなるほどとなった。これまではほとんど、そのどちらの呼びかけも怠ったにもかかわらずだ。大統領府が投稿した、数人のメキシコ人が地面に落ちた巨大な国旗を一緒に引き揚げる動画は、ソーシャルメディアで急速に広がった。それは国の名誉と尊厳を守ろうとする勇敢な人々を鮮明に映しだしていた。

トランプ氏の発言で屈辱を受け、同氏が選挙公約全てを履行しようとしていることでさいなまれているメキシコ人の心に、この動画が発するメッセージは深く響く。

トランプ氏がメキシコについてほぼ無知であることは明らかだ。人々は、昨年、同氏がトランプタワーのレストランで作られた本物とは似ても似つかないタコスと一緒に写った写真を投稿したのを、さげすみとともに思い出す。米国の消費者のほうがもっとよく分かっている。メキシコは5日のスーパーボウル当日に出すグアカモーレ(アボカド料理)用のアボカドを3万5000トン供給した。それほどではないものの、小さな手柄もある。例えば、メキシコのレッドサルサの米国での売り上げはケチャップを上回りそうだ。また、米国人はサンドイッチよりもトルティーヤをよく食べる。

国家に対する誇りがあふれていることは、ペニャニエト氏の自慢話になる。不祥事や経済低迷、犯罪の増加で痛めつけられた同氏は、最低の支持率12%で残り2年の任期を迎える。

だが、左派の重鎮政治家、クアウテモク・カルデナス氏が述べるとおり、結束とは単に「共に叫びながら国旗を振りかざすことだけ」ではない。反トランプで、汚職撲滅や権力者への説明責任追及などの懸案事項から注意がそれてはならないというものだ。

メキシコのノーベル賞詩人、オクタビオ・パス氏は、メキシコ人にとって「人生はだますかだまされるかだ」と記した。メキシコ人は今こそ、同氏の別の見解「諦めもまたメキシコ人の美徳」が誤りであることを証明しなければならない。

By Jude Webber

(2017年2月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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