2018年7月18日(水)

規制と利便性の壁崩す、「個人間」に広がるスマホ決済

フィンテック
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2017/3/10 6:30
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■法規制の現実を超えて進化するネットサービス

 両社が目指すような個人間でのお金のやり取りをするサービス事業者は、これまで「資金移動業」の免許を取得するのが一般的。これに対してKyash社もAnyPayも、資金移動業の免許は取得していない。資金移動業者となると、サービス利用者に厳格な本人確認手続きを要求しなければならない。

 国内で始まっている個人間決済が可能なスマホサービスの一つが「LINE Pay」。運営会社であるLINE子会社のLINE Pay社は同免許を取得している。LINE Payでは個人間で送金する際に、運転免許証や健康保険証などを撮影して送信し、本人確認をする必要がある。マネーロンダリング(資金洗浄)などの不正送金を防ぐためだ。

 Kyash社やAnyPayは、厳格な本人確認手続きがスマホの個人間決済サービス普及のハードルになっていると判断。厳格な本人確認が必要な資金移動業の免許を持たなくても、個人間決済が実現できる仕組みを模索した結果、編み出した手段がKyashの前払式支払手段やpaymoの収納代行というわけだ。

 両社とも法的には問題なしとのスタンスだ。Kyashは「金融庁や関東財務局に確認して、問題なしとの見解を得ている」(鷹取CEO)。同社の顧問弁護士である森・濱田松本法律事務所の堀天子パートナー弁護士も、「前払式支払手段の特性を最大限に生かしたサービス。法律的にもクリアだ」と話す。

 AnyPayも「弁護士に問題なしと確認している」(木村社長)。ただし、金融庁などの当局には確認していないという。

 Kyashとpaymo、ともに既存の法制度の想定を超えたサービスと言える。個人間で空き時間や所有物を貸し借りする「シェアリングエコノミー」しかり、法制度や商習慣を超えて進化する、ネットサービスのスピード感や勢いを改めて見せつけた格好だ。

(日経コンピュータ 玉置亮太)

[ITpro 2017年1月23日付の記事を再構成]

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