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侍 勇む DeNA・筒香、豪打 感覚研ぎ澄ます

「体の中まとめる」意識

キャンプ序盤からDeNA・筒香嘉智は豪打を連発している。ロングティーで本塁後方から外野席後方の防球ネットの最上部に次々と当て、フリー打撃では中堅のスコアボードを直撃して破壊した。ファンはどよめきと拍手でたたえ、アレックス・ラミレス監督は「アンビリーバブル」、コーチからも「えげつない」の声が漏れる。

昨季、目覚ましい成長を見せた筒香=共同

プロ7年目の昨季、主将兼4番打者はチームを初のクライマックスシリーズ進出に導いた。7月に16本塁打を固め打ちするなど夏以降の覚醒は特にめざましく、44本塁打、110打点でセ・リーグの二冠王に輝いた。今季の年俸は一躍3倍となったが、25歳の"伸び率"はそれでも追いつかないように見える。

だが色めく周囲をたしなめるように筒香は言う。「強く振って、気持ち良くホームランを打つ練習は誰にでもできる。僕がやっているのは体の中をまとめていくこと」

筒香が常々口にする「体の中をまとめる」とは、拡散しがちな力のベクトルを集約し、無駄なくボールに伝えるというニュアンスだ。その達成度は柵越えの本数や飛距離だけでは測れないが、異次元の弾道を充実した内面の発露とみても的外れではないだろう。「12、1月と体づくりはやって来た。これまでの積み重ねで、大きな変化を感じている。昨年よりうまくまとまっている」

2年目以降、シーズンオフは海外に赴いてきた。米国で大リーガーの練習を見て刺激を受け、前年はドミニカ共和国のウインターリーグへの参加を飛躍につなげた。だが今年は国内にとどまり、バットを振り込んだ。

「(国内に)教えていただいている先生もいるし、試したいこともあった。より研ぎ澄まされた感覚を磨いていこうということ」と筒香。「吸収」から「深化」へ。努力のベクトルの変化も、打者としてのステージが上がったことを示唆している。6日のフリー打撃では今永昇太の「理想のボール」を左翼席へ運び、強気で鳴らす2年目左腕に「これほどストライクゾーンに投げたくない打者もいない。味方でよかった」と言わせた。

打線の中軸を担うWBCへの準備もぬかりない。キャッチボールではWBC仕様球を使い、15日以降、20打席前後の実戦を経て22日の侍ジャパン合流に備える方針だ。

データや予備知識よりも打席での感覚を重んじるタイプだけに、初見の投手が多い国際試合も苦にしない。「あくまで試合の中で打つための練習を重ねていきたい」と筒香。鍛錬の成果を披露する舞台は間近に迫っている。

(吉野浩一郎)

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