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マンUとマンC、手間取る新監督の戦術浸透

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2017/2/8 6:30
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今シーズンの開幕前、イングランドのプレミアリーグはともに大物監督を迎えたマンチェスター・シティーとマンチェスター・ユナイテッドが優勝を争うものと予想していた。しかし、ともにチームの形を整えるのに時間がかかり、首位チェルシー(勝ち点59)から引き離されている。(記録は24節終了、5日現在)

対照的なポグバとイブラヒモビッチ

マンチェスターUは昨季までチェルシーを率いていたモウリーニョ監督が就任。基本的に守備をがっちり固めて相手の特徴を消すスタイルなので、大枚をはたいて獲得したMFポグバが窮屈そうにプレーしている。

約束事をうるさく言われ、柔軟に動くことを許されていないのだろう。奔放で何をするのか予測がつかないポグバのダイナミズムが出ていない。もともと戦術的な理解が高いほうではないから、萎縮しているのかもしれない。

当初はトップ下に近いところに置かれていたが、ここへきて3列目でキャリックやエレラと組むようになり、落ち着いてきた。このほうが後ろから飛び出していくポグバの持ち味が出るだろう。

同じく新加入のFWイブラヒモビッチはすんなりチームにはまった。それは彼が非常に賢いオールラウンダーだからだ。中央に張る、サイドに流れる、中盤に引いてパスを受けてさばく、ということを相手の出方によって使い分ける。

あれだけの体があったら普通はポストプレー専門になるものだが、そうならない。プレーがワンパターンでないので、相手にとってはつかみどころがない。

35歳にもかかわらず、タフなプレミアリーグでも通用する頑健さを保ち、リーグ2位タイの15得点。ちょっとでもコースが空いたら、すかさずシュートを放つ得点感覚はやはりただ者ではない。

イブラヒモビッチと縦に入れ替わってくれる選手がトップ下にいると、攻めがもっとダイナミックになるが、その相棒がいまのところ見つかっていない。

新加入のMFムヒタリャンもポグバと同様、当初は萎縮していたような感じがする。しかし、だいぶチームに慣れ、攻めに変化をつけるコマになってきた。ボールを積極的に預かり、ちょっとずらしてラストパスを出す。

約束事を多くつくるモウリーニョのような監督のもとでは、プレーしながら「ここまではやっていいんだ」「これは許される」という感覚をつかんでいくしかない。

そうやって自分の持ち味を発揮し、結果を出せば、モウリーニョ監督が「それはダメ」とは言わないはずだ。結果を出しながら、許される範囲を広げていけばいいのだと思う。ポグバにしてもムヒタリャンにしても、信頼を勝ち得れば、もっとできるはずだ。

現在、首位のチェルシーから勝ち点14差の6位。しかし、昨年10月にチェルシーに敗れた後は15戦続けて負けがない。ある意味ではモウリーニョの戦術が浸透してきている。イブラヒモビッチを生かして、上位陣では少ない得点(36得点)をいかに増やしていくかがポイントになる。

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