球場が呼んでいる(田尾安志)

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打者とは失敗する職業 結果恐れずWBCに臨め

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2017/2/5 6:30
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プロ野球がキャンプインし、3月31日開幕のペナントレースに向けたチームづくりが始まった。その前に、今年はもう一つのビッグイベントが控えている。同月6日に始まる第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)だ。

2006年の第1回大会を制した際、日本野球の代名詞として世界に浸透したのが「スモールベースボール」だった。単打や四死球で出塁した走者が盗塁や送りバントで得点圏に進み、後続が単打で返す。所属チームでは主軸を打つ打者たちが、日本の勝利という目標のために単打狙いに徹するさまは「つなぎの打撃」と称賛された。

左方向への本塁打が増えた昨年のスイングをすれば、筒香の活躍も期待できる=共同

左方向への本塁打が増えた昨年のスイングをすれば、筒香の活躍も期待できる=共同

ただし、つなごうと思ってつなげられるものでないのは、13年の第3回大会準決勝で日本がプエルトリコに1-3で敗れた事実からもわかる。そもそも国際大会では各国・地域から腕利きの投手が集まるため、連打が出にくい。バッテリーは致命的な被弾を避けるべく、長打になりにくい外角中心の配球になっていく。

逆方向へ長打、国際大会のカギ握る

そこで力を発揮するのが、外角球を逆方向への長打にできる打者。例えば2死から一塁に出た走者を返そうとすれば、単打なら少なくとも2本要るが、長打なら1本で生還させられる。

流し打って長打にできる選手が多い国で思い浮かぶのがキューバだ。専門家の分析によると、日本の打者はおおむね流し打った際のスイングスピードが、引っ張った際のそれより落ちるのに対して、キューバの打者は両者の差がほとんどないという。コースにかかわらずフルスイングする「国際大会仕様」の打撃が根付いているのだ。

キューバに行ったときに関係者が話していた言葉が印象に残っている。「逆方向に本塁打を打たない選手は4番にはしない」。チームの柱だったオマール・リナレスにしても、確かに体から遠いコースでも迷わずフルスイングし、逆方向に本塁打を放っていた。

「キューバの至宝」と同じ打撃ができる打者の1番手として「日本の至宝」の大谷翔平(日本ハム)に期待していたが、右足首の故障で出場できなくなったのは実に残念だ。代わって存在感を発揮しうるのが、同じく外角球を強く流し打つことができる筒香嘉智(DeNA)。左方向への本塁打が増えた昨年のスイングをすればWBCでも期待できるだろう。

外角球を単打にしかできない選手ばかりなら、相手投手は随分楽になる。外に投げても一発があるとなれば投手はプレッシャーが増し、コントロールミスも出る。日本野球ここにあり、というところを見せる意味でも筒香らの大砲は当てにいく打撃はしないでほしい。

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