2019年8月20日(火)

アルツハイマー病、ホヤで改善 三生医薬

2017/1/27 6:30
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健康食品やサプリメントのカプセル製造大手の三生医薬(静岡県富士市)は、原料開発部門を強化する。第1弾として、認知症の一つであるアルツハイマー病の改善につながると期待されている「プラズマローゲン」を、東北で養殖したホヤから抽出する手法を開発した。

東北で養殖したホヤから成分を抽出する

東北で養殖したホヤから成分を抽出する

高齢化が進むと認知症向け商品の市場拡大が見込まれるため、すでに複数の食品メーカーから取り扱いの意向を得ている。

プラズマローゲンは抗酸化作用を持ったリン脂質の一種で、人体の脳神経細胞などに含まれる。加齢やアルツハイマー病患者の脳内では同成分が減少することが分かっている。このため、サプリメントを摂取することで記憶能力などの回復につながるとの期待がある。

プラズマローゲンを含むサプリメントは既に市販されている。ホタテや鶏由来の商品が多いが、食用に多く使われるためコストが高かった。ホヤは比較的安価に入手できるほか、原料から取り込める成分比率が高く、製造コストが抑えられるという。

三生医薬は、宮城県釜石市のホヤ養殖業者と健康食品開発の日本薬品(東京・中央)と連携し、同成分の抽出技術を確立した。内臓部分の有毒成分の除去などにノウハウが必要で、ホヤからの抽出を実現した企業は少ないという。

開発を担当する三生医薬の又平芳春執行役員によると「ホヤは鶏よりもドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)が多く、調達の安定性やコスト安の強みもある」と説明する。

東日本大震災の影響でホヤの生産が落ち込んでいたこともあり、素材活用で復興支援にもつなげたい考えだ。

三生医薬はカプセルの製造技術を生かし、販売会社や市場のニーズに合った形状や配合にして商品を提供する。

調査会社によると、脳機能活性や認知症予防の健康食品市場は2015年に214億円。今後も10%強の成長が見込まれるという。今村朗専務執行役員は「世界中で高齢化が進むため市場は拡大する」とみる。

18年には機能性表示食品の申請を計画。認定されれば同成分としては国内で初となる。国内だけではなく北米や東南アジア向けでも展開し、20年までに10億円の販売を目指す。

このほかにもショウガが持つ体を温める効果が、熱加工することでより大きくなる手法を開発した。生食と比べて約30倍の効果が得られるといい、冷え性対策やダイエット向けに販売を見込んでいる。

同社は14年に米大手買収ファンドのカーライル・グループの傘下に入った。経営陣を刷新し、受託製造から自社独自の原料開発を強化している。

(静岡支局 青木真咲)

[日経産業新聞 1月27日付]

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