2018年8月20日(月)

[FT]金相場と鉱山株が上昇 トランプ経済の期待と懸念

FT
2017/1/26 14:35
保存
共有
印刷
その他

Financial Times

 トランプ米政権と中国の両方が需要を押し上げるとの期待から、今年に入って産業用金属が値を上げているが、金相場の上昇はそれよりも複雑な構図だ。

 金相場は年初来ほぼ5%上昇。その一因はインフレ懸念だ。ニューヨーク金先物取引の取組高(未決済残高)は、ファンドマネジャーらの強気買いの膨らみに支えられて16%増加している。

 金相場の上昇を受けて金・銀鉱山株が大きく値を上げ、米フリーポート・マクモランは20%、カナダのバリック・ゴールドは12%、それぞれ年初から高くなっている。フィラデルフィア金銀鉱山株指数は年初来14%上昇。銀価格は今年に入って6.7%上がっている。

 金相場の上昇には経済成長の加速がインフレにつながるとの予想が絡んでいるが、トランプ政権の保護主義政策が地政学的な緊張を高めるとの懸念も関係している。

 「金鉱山は本当にいい1年を終えた」と米オンライン証券大手TDアメリトレード・ホールディングのチーフ市場ストラテジスト、J・J・キナハン氏は言う。「その流れに新大統領の就任が加わった。市場の下落や変動に対するヘッジとして金を使う動きが広がり、相場が上がり始めた」

 トランプ氏の大統領選勝利から昨年末までの間は、金や国債などの安全資産が売られて景気に敏感な業種の株式が買われたが、金相場は年初来、それまでの伸び悩みを部分的に覆す形で反発している。

 だが、今年に入って値を上げている金属は金だけではない。米MSCIのACWI金属鉱業指数は、ほぼ15%上昇している。これほどの好スタートは十数年ぶりだ。

 経済成長の促進をうたうトランプ氏の政策は、短期的には米国の金属業界を後押しするかもしれないが、どのようなものであれ保護主義の動きが出てくれば、鉄鋼とアルミニウムの価格上昇に行き着いて需要を脅かす恐れがあるとアナリストらは警告する。

 英スタンダードチャータード銀行のアナリストらによると、最大の影響として表れるのは、アルミなどの金属の生産会社が利幅を厚くして増益となることだ。だが、「自動車や航空宇宙産業など、アルミの大口需要家から強い反発があるはずだ」ともいう。

 米国は中国の最大のアルミ輸出先であり、中国がようやく過剰生産の調整に入る可能性が出てきたことを受けて、アルミ価格は年初から11%上がっている。

 だが、米国でのアルミ価格上昇は国内精錬業者の生産再開への誘因となる可能性があり、そうなればアルミ価格の下押しにつながる。

By Henry Sanderson

(2017年1月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報