新しい波起きるか 米ツアー東京支社の大いなる刺激
ゴルフライター 嶋崎平人

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2017/1/26 6:30
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日本の男子ツアーは、先日、シンガポールを舞台に今季初戦が開幕した。2013年マスターズ・トーナメント覇者のアダム・スコット(オーストラリア)らが参戦したSMBCシンガポールオープン。アジアンツアーとの共催大会として盛り上がりをみせたが、国内開催の試合となると4月まで待たされることになる。新年を迎えたのに、まだ眠ったままのような状態である。

一方、米ツアーの今シーズンは早々と昨年10月に始まった。前々週のハワイでのソニー・オープンで早くも9試合目である。

ソニー・オープンでバーディーパットを外す松山。27位に終わった=共同

ソニー・オープンでバーディーパットを外す松山。27位に終わった=共同

1月に行われるソニー・オープンは青木功が1983年に最終日の18番の劇的なイーグルで逆転優勝。日本人で初めて米ツアーを制したことで多くのファンの印象に残っている大会である。

今年は日本期待の松山英樹は27位に終わった。優勝したのは23歳のジャスティン・トーマス(米国)。初日に59のビッグスコアを出し、そのまま逃げ切った。前シーズンの優勝者が出場するSBSチャンピオンズに続き、新年になって2週連続優勝して大きな話題となった。

13年までは、このソニー・オープンが通常のシード選手が出場できる米ツアー開幕戦の位置づけで、いよいよシーズンが始まったとワクワクしたものである。新しい年になって、新しいシーズンが始まるのが、個人的にはしっくりくるが、米ツアーは13年のシーズンが終わり、その年の10月から13~14年シーズンを始めるシステムに変更した。前年の10月に始まるその理由はなぜなのだろうか。

NBAなどとは差別化するという思想

米国では、NBA(プロバスケットボール)は6月にファイナルを迎える。MLB(大リーグ)は10月にワールドシリーズを行う。NFL(プロフットボールリーグ)は1月にプレーオフ、2月にはスーパーボウルが開催される。米ツアーは他の競技との競合を考えて、シーズンのスタートを秋に変えたのだ。

これはマーケティングからの視点である。他の人気プロスポーツと差別化しようという考えだ。ゴルフはメジャー大会が4月にマスターズ、6月に全米オープン、7月に全英オープン、8月に全米プロが開催されるスケジュールが組まれている。ファンの注目を集める大会が分散しているのだ。

さらに、秋スタートとなる新シーズン制度の導入で、9月にプレーオフ・シリーズが行われ、年間王者が決定される。10月に新しいシーズンが開幕し、新年の1月はトーナメント・オブ・チャンピオンズ(前シーズンの優勝者が集まって試合をする大会)を実施。年間を通じて、次々と話題が提供できるようになった。ゴルフトーナメントに注目を集め続け、ファンにとっても、スポンサーにとってもメリットが出てくるようにしたのだ。

このような改革を推し進められるのは、米ツアーを行うPGAツアーという組織がしっかりしていることに他ならない。シーズンのスタート時期を変更する大きな改革は、当然、選手サイドから異論が出てきたと思うが、当時のティム・フィンチェムPGAツアーコミッショナーがスポンサーを含めて組織の内外を説得して改革を断行した。米ツアーのより一層の発展を考えてのことである。

その結果が現在の試合数、賞金総額に表れている。今シーズンは47試合、賞金総額は3億3900万ドル(約384億円)で賞金総額については日本の男子ツアーの10倍である。

PGAツアーの本部は米国フロリダ州ジャクソンビルにあるが、昨年10月にPGAツアーの東京支社が設立された。そのアジア地区の責任者で米国PGAツアーのバイスプレジデントも務める石井政士氏に話を聞いた。

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