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「カード不正利用」の検知精度、深層学習で劇的向上
グーグルに学ぶディープラーニング(中)

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2017/2/6 6:30
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日経ビッグデータ

 三井住友フィナンシャルグループ(三井住友FG)は、ディープラーニング(深層学習)を使ってクレジットカードの不正検知の精度を上げる検証を行った。不正利用の疑いがあると判定した取引のうち、本当に不正な取引だった比率を従来の5%程度から90%程度へと大幅に引き上げることに成功した。

東京・大手町の三井住友FG本社
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東京・大手町の三井住友FG本社

 現在の不正検知はまず、カード利用の場所や時間、金額などのパラメータを人が決めた特定のルールにのっとってチェックし、(1)正常な利用、(2)不正な利用、(3)不正の疑いがある利用、の大きく3種類に判別。疑いがある取引について、人が店舗や利用者に問い合わせをして確認するという手法をとっている。疑いのある取引の中で約95%が問題のない取引で、本当に不正である取引は5%程度だという。

 今回、過去数カ月分のクレジットカード利用のデータを使い、ディープラーニングを用いて不正検知アルゴリズムを開発した。クレジットカードの使用履歴、使用金額、使用場所、店舗属性などの項目間の相関関係を分析しながら、モデルの最適化計算を繰り返し行うことで、アルゴリズムが不正な疑いがあると判別した取引のうち、本当の不正取引の比率は約90%と大幅に向上した。

 そもそも、不正の疑いがある取引の比率が大きく低下し、正常か不正かをはっきり見分けられるようになった。もちろん、不正を見逃す比率が増えているわけではないという。

 不正検知の精度が上がれば問い合わせの作業が減り、その結果カード会員や店舗への負担も軽減することができる。三井住友銀行ITイノベーション推進部などが、IT(情報技術)コンサルティングのJSOL(東京・中央)と共同で、「グーグルクラウドプラットフォーム(GCP)」上でディープラーニングを使って検証をした。

 ITイノベーション推進部副部長の井口功一氏は、「過去のデータに対して、ディープラーニングを使った場合は効果が比較しやすい。その結果、かなりいい数値が出てくるので恐ろしさを感じるほど。まだ実験の段階で、これを業務に落とし込むとなるとまた違った課題が出てくるが、効果があると分かれば(事業会社、業務部門に)提案しやすくなる」と話す。

従来の人のロジックによる不正検知と比べて、ディープラーニングによる検知では正常か不正な取引かをはっきり見分けられるようになった
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従来の人のロジックによる不正検知と比べて、ディープラーニングによる検知では正常か不正な取引かをはっきり見分けられるようになった

■コールセンターへは全席導入

 三井住友銀行は、このほかにもさまざまな業務への人工知能(AI)の活用の可能性を探っている。システム統括部副部長の高橋健二氏は、「現在進めているAI活用の軸は大きく3つある」と説明する。1つめは安心・安全なサービス提供、2つめは顧客サービスの向上や行員の生産性向上、3つめはチャットボット(自動会話プログラム)のような新たな顧客体験の実現だ。

 実際の業務ですでに成果を挙げているのが、コールセンターの対応品質向上を目的とした米IBMの「Watson(ワトソン)」の活用だ。活用軸の2つめに該当する。2014年より順次導入を進めてきたが、2016年10月、2カ所あるコールセンターの300席全席への導入が完了した。

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